FreeBSD Daily Topics

2007年7月9日kern_descrip.cロック処理改善で性能向上、SpeedStep/PowerNow!対応モジュールをデフォルトカーネルへ、FAST_IPSECからIPSECへの名称変更、ほか

performance

sys/kern/kern_descrip.c

適切なケースで共有ファイルディスクリプタロックを取得するためにさまざまなfcntlケースにおいて明示的なロックを使うように変更されました。ioctlsに関する呼び出しからGiantロックが削除されているほか、ファイルシステムがGiantロックを要求したときにのみVOP_ADVLOCKに対してGainロックが要求されるようになりました。advlockがMPSAFEになったほか、ioctl pathはすでにMPSAFEになっています。これら改善によって8コアOpteronにおけるMySQLのトランザクション処理性能向上が確認されています(参考:比較グラフ⁠。

heads-up

SpeedStep/PowerNow!

SpeedStepやPowerNow!などの機能を有効にするCPU周波数制御フレームワークcpufreq(4)がi386およびamd64のデフォルトカーネル設定ファイルGENERICに追加されました。デフォルトでは動作しないためデフォルトカーネルに組み込まれても影響はありません。ただしデフォルトで有効にできるようになるため、これまでのようにCPU周波数制御を有効にするにあたって/boot/loader.confファイルに「cpufreq_load="YES"」を追加する必要がなく、/etc/rc.confファイルに「powerd_enable="YES"」を追加するだけで動作するようになります。

IPSEC

FAST_IPSECからIPSECへの名称変更が実施されました。KAME IPsecと同じくFAST_IPSECオプションも非推奨になります。今後はFAST_IPSECの代りにIPSECを使ってください。

setenv BUGS

setenv(3)のバグセクションに記載されていたメモリリークに関する問題がいくらか改善されました。これまで歴史的にBSD APIを使っていた部分がPOSIXへと変更されています。APIの変更があったため変更された各種コマンドやライブラリは__FreeBSD_versionの値が700050へアップされています。

src

src/sys/contrib/pf

pf(4)がOpenBSD 4.1におけるpf(pf_openbsd_4_1)へ更新されました。この更新で11のコンフリクトが発生しています。⁠cvs checkout -jOPENBSD:yesterday -jOPENBSD src/sys/contrib/pf」のようにしてマージを実施します。

doc

release/doc/en_US.ISO8859-1/relnotes

リリースノートへgjournal(8)、uark(4)、nxge(4)に関する記載の追加、KAME IPsecの削除、FAST_IPSECへの移行、wicontrol(8)の削除、PF 4.1への更新などに関する記事などが追加されました。

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