FreeBSD Daily Topics

2008年4月14日fsck_ffs(8)にディスク故障時向け-C”追加、新ELFリンカによるビルド時間短縮の可能性、NetBSD SMP取り組み、他多数

src

fsck_ffs(8)

current - fsck_ffs(8)に新しく障害発生時のリカバリでの利用を想定した⁠-C⁠オプションが追加されました。とくにディスクが著しく故障している場合を想定したオプションです。

ただし、シリンダグループのシグネチャデータが正しいという前提で処理を行うため、シリンダグループのシグネチャデータが壊れている場合には逆にデータを失う恐れもあります。同オプションはマニュアルを読んで動作を理解したうえで使ってください。

sys/sys/ata

current - ATA/ATAPIディスクコントローラドライバata(4)に実験的にSATA Port Multiplierのサポートが追加されました。Silicon Image SiI3124/3132やいくつかのAHCIチップバスでの動作が確認されています。

同サポートは依然として実験段階にあるため、建設的なテスト報告や意見提案を積極的に行ってほしいとされています。

sys/dev/acpi_support

current - ASUS G2Kラップトップおよび新しいASUSラップトップに搭載されているDLED/GLEDのACPIサポートが追加された他、他のOSではデフォルトになっているBLED/TLED/WLEDが有効になりました。

sys/dev/usb

current - BelkinシリアルアダプタのUSBサポートに対してVerizon v740のサポートが追加されました。またICH9 USBコントローラを認識する処理が追加されました。

ports

Gnome 2.22.1

Gnomeの2.22へのアップグレードやHAL/PolicyKitのバージョンアップ、X.OrgのHAL利用などで一時期X.Orgにおけるマウスの扱いが不安定になったことがあります。原因はX.Orgがマウスデバイスを2度開いてしまうためです。

最初は/etc/X11/xorg.confにおけるマウスデバイスを⁠/dev/sysmouse⁠から⁠/dev/psm0⁠などの物理デバイスに変更することで回避できましたが、HAL側でマウスデバイスの対応が加わってからは、逆に/etc/X11/xorg.confにおける指定を⁠/dev/psm0⁠などの物理デバイスから⁠/dev/sysmouse⁠の仮想インターフェースに変更しないと動作しなくなりました。

ここのところデスクトップはHAL、PolicyKit、DBusをベースに改善が続けられています。この傾向は今後も続くと見られます。物理ドライブはHALを経由して抽象化し、アクセスポリシーはPolicyKitで設定するという流れになります。Ports Collectionを使ってアプリケーションを更新した場合になんらかの不具合が発生した場合、HALやPilicyKitに何らかの変更が入っていないかチェックしてみてください。

links

Murray Stokely

FreeBSD committerであるMurray Stokely氏は自身のblogにおいて、Ian Lance Taylor氏がアナウンスしたGNU binutilsの一部として新しいELFリンカ機能が登場したことを伝えています。

同機能はまだリリースされておらずCVSリポジトリに追加された段階ですが、同新機能を使うと大規模C++バイナリにおけるリンキングがかなり高速になるとのことです。同機能がFreeBSDのPorts Collectionビルドに取り込まれた場合、KDE、OpenOffice.org、Gnome、Mozillaなどの大規模アプリケーションのビルド時間に大きな改善が期待できます。

Hubert Feyrer

NetBSDデベロッパHubert Feyrer氏は自身のblogにおいてNetBSDにおけるマルチコア/プロセッサへの対応についてまとめています。The NetBSD FoundationがAndew Doran氏を雇用しSMP対応を進めているなど、NetBSDにおけるマルチコア/プロセッサ対応が着実に進展しています。NetBSDではどういったアプローチをとっているかが端的にまとまっていますので興味があるデベロッパは一度読んでみてください。

特定のベンチマークでは8コアにおいてNetBSD 4.99.58とFreeBSD 7.0を比較し、NetBSD 4.99.58の方が優れたベンチマーク結果を残していると説明されています。

Hubert Feyrer

NetBSDデベロッパHubert Feyrer氏は自身のblogにおいてCuneiform OCRプログラムがBSDライセンスのもとで公開されたことを伝えています(オリジナルメッセージはロシア語⁠⁠。

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