FreeBSD Daily Topics

2008年4月22日AsiaBSDCon2008フォト公開、CrossOver Games for FreeBSD、適応型アイドリング、GJournal記事、他多数

heads-up

AsiaBSDCon 2008

Asia BSD Conference 2008の論文が公開されたのに加え、4日間を通じて撮影された写真が公開されました。どういった会議が行われているのかがわかる興味深い資料ですので、興味があるからは一度チェックしてみてください。

CodeWeavers

CrossOver Officeの開発社であるCodeWeaversが新しいプロダクトCrossOver Gamesを発表しました。CrossOver Gamesは人気のあるWindowsゲームをMac OS XやLinux、FreeBSD(PC-BSD、DesktopBSD)など多くのプラットフォームで実行可能にするもので、最新版のWineを技術基盤として活用しています。

登録が必要ですが、すでにここからダウンロードが可能です。

src

env(1) -u

current - env(1)コマンドに指定された環境変数をunsetするためのオプション⁠-u⁠が追加されました。環境変数にnullを設定するのではなく環境変数そものものを削除します。これでenv(1)を使って環境変数の指定のみならず削除も指定できるようになりました。

802.11 Multi-bss

current - 802.11デバイスに対するMulti-bss(vap)サポートが追加されました。同サポートを実現するにあたってデバイスファームウェア読み込みの処理がfirmware(9)を使うように変更された他、モジュールとして分離されています。また試験用のスクリプトがsrc/tools/tools/net80211/scripts/に一斉に追加されています。

sys/dev/sound/pci/hda

current - ASUS W6F(ALC861)ラップトップにおいて音が出ない問題に対応するための処理が追加されました。

links

adaptive idling

ULEスケジューラの開発者であるJeff Roberson氏は、adaptive idlingにおいて順応型アイドリングアルゴリズムについて説明しています。これまでの同期プリミティブに関する作業からスリープに入る前にスピンしたほうが有益であることがわかっています。

このためFreeBSDでは単純なスリープロックやスピンロックを実行する代わりに、適応型mutexやrwlocksが活用されている状況にあるわけですが、これらの実装がアイドルループにおいて予期しなかった作用を及ぼすことがわかっています。

スレッドが実行可能状態になる場合、場合によっては現在のプロセッサではなく他のプロセッサで実行するほうが好ましいことがあります。ターゲットのプロセッサが省電力状態で待ち状態に入っているとしたら、現在ではIPIを使ってプロセッサを起動させていますが、この処理は送信側にとっても受信側もコストの高いものとなっています。

そこで、同氏はアイドルするにあたってNokiaのエンジニアから提案されたmwait命令を使うタイプの適応型のアルゴリズムを説明しています。この方法ではアイドルに入るにあたってまず短期間はスピンしながら待ち、次に高電力状態でスリープし、次に低電力状態でスリープするというものです。

同氏はスレッドのリングに対してシグナルトークンを送信する⁠ping-pong⁠スレッドプログラムを使った場合、以前のメカニズムと比較して20%の性能改善が確認できたとしています。また、同方式に変更することで電力消費量に関してのネガティブな効果はないとしています。この方式に変更することでアイドル状態に入ったり戻るための時間が減ることになるため、結果として要求されるプロセッサ時間が削減され電力消費を改善することになるだろうと説明しています。

FreeBSD GJournal (Filesystem Journal)

Levent Serinol氏が自身のブログFreeBSD GJournal (Filesystem Journal)において、FreeBSD 7で新しく導入されたジャーナリング機能GJournalを使う簡単な説明を公開しています。GJournalを使う場合の参考にしてみてください。

20 pass GSoC

Google Summer of Code 2008への取り組みとして20名が認可されたとMurray Stokely氏が伝えています。またAsiaBSDCon2008に参加していた昨年のSoC参加者Dongmei Liu氏およびZhou Zhouyi氏がカンファレンスレポートを公開しています。FreeBSD GSoCの詳細はThe FreeBSD list of projects and ideas for volunteersにまとまっています。

Thoughts on www.FreeBSD.org

Murray Stokely氏はThoughts on www.FreeBSD.orgおよびその2において、現在のwww.FreeBSD.orgにおける問題点をまとめるとともに改善について提案しています。端的にまとめると、従来のサイトが静的であるのに対し、よりアグレッシブでコメントやフィードバックといった動的なサービスの提供、FlickrやYouTubeなど他のWebサービスとの連携、リポジトリサービスとの連携改善といったサービスを実現していこう、というものです。

Remote Installation of the FreeBSD Operating System without a Remote Console

Daniel Gerzo氏がRemote Installation of the FreeBSD Operating System without a Remote Consoleにおいて、FreeBSDをベースにセットアップされたmfsBSDを使う方法でリモートコンソールを使うことなくFreeBSDをリモートインストールする方法を解説しています。

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