FreeBSD Daily Topics

2008年4月25日ワイヤレスMulti BSSサポートに伴う設定変更、jemallocで改善赤黒木採用メモリ使用量削減、HSDPAモデムデバイスを使う方法、他多数

heads-up

Multi BSSサポート

current - FreeBSD開発者であるSam Leffler氏は、current mlにおいてMulti BSSをサポートするために802.11ワイヤレス機能を変更したことを報告しています。以後は直接デバイスが使われることはなく、wlanXデバイスがifconfigとともに複製され使われることになります。またMulti BSSサポートの一環としてwlan_scan_apモジュールおよびwlan_scan_staモジュールはベースとなるwlanモジュールにマージされました。よって同モジュールを参照している設定は削除する必要があります。rc.confファイルも編集が必要です。

削除するのは設定ファイルやloader.confなどのファイルにおけるwlan_scan_*関連の設定です。rc.confは次のような設定に書き換える必要があります。

リスト1 /etc/rc.confにおける設定例
vaps_ath0="wlan0"
ifconfig_wlan0="WPA DHCP"

今回の変更に限らず、無線LAN関連の利用はモジュールの読み込みから設定まで、有線LANと比較すると設定項目が多くあります。詳しくは個々のオンラインマニュアルに記載されていますので、同ドキュメントを参考にして設定をおこなってください。時として今回のようにモジュール構成が変わることもありますので、オンラインドキュメントや/usr/src/UPDATINGをチェックしておいてください。

src

lib/libc/stdlib/malloc.c lib/libc/stdlib/rb.h

current - jemallocが改善されました。親へのポインタを使わない赤黒木データ構造が実装されました。またカラービットを右側の子ポインタのビットに保持するようにしたことでリンケージオーバーヘッドを削減し、sys/tree.hの実装と比較した場合に最大で2倍ほど処理が改善されています。この新しい赤黒木実装を使うことで、jemallocのメモリ使用量が32/64ビット双方のシステムにおいて0.5%から1%ほど削減されています。

lib/libthr/thread

current - lib/libthr/thread/thr_rtld.cにおけるロック処理でネイティブなrwlockを使うように処理が変更されました。

sys/netinet6

current - sys/netinet6/udp6_usrreq.cにおけるロック処理が書き込みロックから読み込みロックへと変更されました。

sys/amd64/linux32 sys/i386/linux sys/compat/linux

current - linux_truncate64()システムコールが実装されました。

src/contrib/netcat

current - netcatが2008年4月22日(米国時間)付けのOpenBSD 4.2 snapshotのnetcatへと更新されました。

sys/dev/ata

current - Adaptec 1420SAコントローラに対するハードウェアレベルでのサポートが追加されました。

ports

www/twiki www/twiki-*

WebベースのコラボレーションプラットフォームTWikiのportが4.2.0へアップデートされたほか、デフォルトのモジュール21個とデフォルトではないモジュール2個が新しくPorts Collectionへ追加されました。

multimedia/nmm

NMM(Network-Integrated Multimedia Middleware)のportが新しくPorts Collectionへ追加されました。NMMは分散マルチメディアアプリケーションの作成を実現するためのアーキテクチャです。ローカルであってもリモートであってもマルチメディアデバイスやソフトウェアを透過的に扱えるようになります。

graphics/ascii0

GUIを使ってASCIIチャートの作成を支援するPerl/GTKアプリケーションascii0のportが新しくPorts Collectionへ追加されました。

archivers/lzmautils

POSIX互換システムにおいてLZMA圧縮を提供するためのユーティリティLZMA Utilsのportが新しくPorts Collectionへ追加されました。zlib風のライブラリとgzip風のコマンドラインツールが提供されています。類似したインターフェースを用意することで既存のシステムに対して適用しやすいように工夫されています。

www/firefox

WebブラウザFirefoxのportが2.0.0.14へアップグレードされました。

lang/jruby

JRubyのportが1.1.1へアップグレードされました。

comms/ib-kmod

京セラUTU Iburstモデムドライバのportが新しくPorts Collectionへ追加されました。

RSSOwl

RSSリーダといえばGoogle Readerがかなり存在感を伸ばしています。日本ではlivedoor Readerの人気が高いのですが、Webサービスに依存したくないユーザも少なくありません。そのような場合、RSSOwl(www/rssowl)BlogBridgeを試してみるといいかもしれません。

links

HSDPA modem

FreeBSDからHSDPAモデムを使う方法がshapeshifter.se: FreeBSD driver for Option HSDPA modemにまとめられています。提供されているドライバはベータ版だとされていますが、報告にあるように動作が確認されているモデルがあるようです。

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