heads-up
- BSDCan2008
2008年5月16日から17日
(カナダ時間) の2日間にかけてカナダのオタワ大学において*BSDに関する国際会議BSDCan 2008が開催されました。カンファレンスの前日となる14日から15日 (カナダ時間) にかけてはチュートリアルとFreeBSD Developer Summitも開催されています。同会議は今年で5回目です。特に欧米からの参加が多く、 技術者が交流し最新事情を共有する重要な会議となっています。 - Notable Session
BSDCan2008では30をこえるセッションとBoF、
ソーシャルイベントが開催されました。同時にBSDA BSD Certificationも実施されています。特に注目すべきセッションは次のとおりです。 - Resource-limiting on the Virtual Private Server
- FreeBSD/
mips - Embedding FreeBSD - "finstall" - the new FreeBSD installer
- Busting Bugs
- Porting FreeBSD/
ARM to Marvell Orion System-On-Chip - FreeBSD in geographical wireless networks for internet access
- Google SoC
- Interfacing embedded FreeBSD with U-Boot
- DTrace for FreeBSD
- Bacula
- BSD licensed C++ compiler
なかでもさらに注目のセッションを選ぶとすれば、
(a)Resource-limiting on the Virtual Private Serverおよび(b)BSD licensed C++ compiler、 (c)DTrace for FreeBSDあたりでしょう。(a)はJailベースの仮想インスタンスでCPUやメモリ、 ディスクIOやネットワークなどをどのように制限するかの議論とFreeBSDへの取り組み、 (b)はLLVMの開発者による発表、 (c)はFreeBSDにマージされたDTraceとその活用方法の紹介です。 (a)はVImageとともに8-CURRENTで注目すべき項目として取り上げられ、
FreeBSD 8の目玉機能のひとつになるとみられます。(b)は近代的な設計とテクニックに基づいて実装されたマルチコンパイラLLVMの発表ですが、 そのビルド時間の速さと出力するコードの性能の優れている点、 さらにライセンスがBSD Licenseということもあり、 FreeBSDデベロッパの多くの興味を惹きました。すぐにGCCから移行どうこうという段階ではありませんが、 多くの主要デベロッパがLLVMに高い関心を持ったことは間違いのないところです。向こう数年で何らかの取り組みがなされる可能性があります。 そのほかBSDCan2008で発表された内容は、
直近のFreeBSDの開発方向性を示すものとして興味深いものが多々ありました。BSDCan2008に関する詳しいレポートはSoftware Design 2008年8月号での掲載が予定されています。詳しくはそちらをご覧ください :)