heads-up
2009Q4 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されているプロジェクトから興味深いプロジェクトを紹介します。
- CAM-based ATA implementation
既存のata(4)インフラストラクチャは最近のコントローラやデバイスに対して制限が多く、
その性能をフルに発揮できていない状況にあります。実装としてはata(4)と同じくらいCAMサブシステムも古いものの、 こちらはこうした問題を解決するための仕組みを有しています。このため、 ATAをCAMベースで実装し直してこうした問題を解決しようという取り組みが進められています。 現在の実装では、
ata(4)で認識されていたデバイスは次のように認識されます。 - ATAディスクはadaドライバとして認識される
- ATAPIデバイスは既存のSCSIドライバ(cd、
da、 saなど)として認識される - SATAマルチプライアをサポートするためにpmpドライバを追加
- SATAコントローラをサポートするためにahci(4)およびsiis(4)を追加
ATA_
CAMカーネルオプションを追加してカーネルを再構築すると、 従来のコントローラはダイレクトにCAMサブシステムで動作するようになります。これを実現するためata(4)のコードは大幅に変更されたと説明されています。また新しいATA実装に追加されたコマンドキュー機能によって、 特定の負荷条件下で2倍の性能改善が、 通常の利用でだいたい20%から30%ほど性能が向上実現されたという説明もあります。 - Group Limit Increase
歴史的にこれまでFreeBSDにおけるプロセスに割り当てることができるグループの総数は15とされてきました。FreeBSD 8.
0-RELEASEではこの制限が1023まで引き上げられています。9-CURRENTではすでにチューニング用にkern. ngroups sysctl値が導入されており、 1023からINT_ MAX - 1までの値が設定できるように変更されています。この変更は8. 1-RELEASEまたは8-STABLEへマージされる計画になっています。 - HAST - Highly Available Storage
GEOMモジュールレベルで高信頼レプリケーションシステムを実現するためのHASTプロジェクトは2001年12月に最初のマイルストーンに到達しました。次のマイルストーンは2010年1月31日に計画されています。
- Intel XScale hwpmc(9) support
Intel XScale ARMプロセッサにおけるハードウェアパフォーマンスモニタの実験的なサポートが9-CURRENTへ追加されました。今のところ基本的な機能がサポートされ、
コールチェインといった機能はサポートされていません。