heads-up
PC-BSDの最新版となるPC-BSD 8.0(Hubble Edition)が公開されました。FreeBSD 8.0-RELEASE-p2をベースにKDE 4.3.5、Xorg 7.4、Nvidia Driver (195.22、192.22、173.14.20、96.43.13)が同梱されています。amd64版とi386版が用意されており、それぞれフルインストールパッケージ込みのDVDまたはUSBインストールイメージと、ブートオンリー+ネットワークインストールベースのCDまたはUSBイメージが提供されています。
PC-BSD 8.0ではシステムインストーラが刷新され、新しくインストール対象にFreeBSDが選択できるようになりました。もっとも注目すべき機能のひとつといえます。従来、FreeBSDのデフォルトのインストーラはsysinstall(8)ですが、このインストーラには主に次の2つの要望が寄せられていました。
- ノービスユーザ向けにUbuntuのようなGUIインストーラがほしい
- ZFSやGEOM、各種カーネルモジュールが提供する機能などFreeBSDの最新機能をインストール時点で使えるようにしたい
finstallが新しいシステムインストーラの候補に上がっていましたが、開発者が時間がとれなくなったことで実質的に停止しています。また、ベースシステムにGUIインストーラに必要になる各種ライブラリなどをマージすることを懸念する向きもあり、実際問題として難しい面があることもまた事実でした。
EuroBSDCon 2009でもGUIインストーラの導入を求める意見がありましたが、そうした要望はすでにPC-BSDで十分なレベルに達しているという話がでていました。今回、PC-BSDにFreeBSDをインストールするための機能が追加された背景には、こうしたインストーラへの要望に答える意味合いがあるとみられます。AsiaBSDCon 2010の3月13日のセッションにPC-BSDの開発者がP1A: PC-SYSINSTALL - A new system installer backend for PC-BSD and FreeBSDとして発表をおこないます。興味がある方は参加を検討してみてください。日本からPC-BSDの開発者に直接意見を伝える機会としてかなり貴重で、しかも効果の高い方法といえます。
PC-BSD 8.0のインストールではパーティションにZFSを選択できます。しかしいくつか注意点もあり、たとえばルートパーティションをZFSにするとうまくインストールが成功しないケースがあります。また、単一の大きなプールを作ってそこから割り当てていくスタイルではなく、スライスを切った上でそこをZFSに割り当てていくといったスタイルになっており、使い方によっては目的とするZFSの使い方と違ってくる可能性もあります。PC-BSDでのZFSインストールはあくまでもさわり程度に使うものだと考えておいた方がいいかもしれません。
またPC-BSDでデフォルトインストールされるKDE環境はそれなりにパワーが必要です。ネットブックのような小さい画面のマシンにはあまり向いていません。Jail管理アプリケーションやPorts Collectionを扱うための独立したJailが使われるコンソールなどユニークな点もあり、調べているとおもしろいところもあります。