freebsd-sr
2010Q2 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から興味深い話題を簡単に紹介します。
- Collective Resource Limits
SGI IRIXには複数のプロセスを1つのまとまりとして扱い、
そのまとまりに対してリソース制限をかける機能が提供されていますが、 これと同じ機能を実装しようという取り組みがGabor Kovesdan氏から紹介されています。開発は初期段階から中盤といった段階にあり、 今後ユーザランドのコマンドに同機能をサポートする機能を追加したり、 IRIXで実現されているほかの機能の実装、 現在わかっているバグの修正などが取り組まれるとのことです。 - File System Changes Notification
inotifyと互換性のあるファイルシステム変更通知メカニズムの実装が進められていることが報告されています。FreeBSDに導入するほか、
Linuxバイナリ互換機能にも対応を追加したいという旨が報告されています。 - ExtFS Status Report
ExtFS関連の実装がZheng Liu氏によって進められていますが、
その進捗が報告されています。まず取り組みの目的のひとつに、 リザベーションウィンドウメカニズム(rsv)を実装するというものがあります。すでにext2にrsvを実装した場合とそうでない場合のベンチマークが公開されていますが、 適用しない場合よりもパフォーマンスが向上していることを確認できます。もうひとつの取り組みはExt4を読み込みモードでサポートすることになります。こちらの方はまだ開発がはじまったばかりで、 基本的な機能のみが実装された状況にあります。今後さらに多くの機能を実装していくとのことです。 - Enhancing the FreeBSD TCP Implementation
SIFTRの実装が9-CURRENTに追加されたことが報告されています。
- Distributed Audit
現在のFreeBSD監査システムを分散環境で利用可能にする取り組みが進められ、
すでに90%ほどが機能するようになったと報告されています。マスタ-スレーブパラダイムのもとで同期することが確認されたとのことです。 - DAHDI/
FreeBSD Project FreeBSDをPBXソリューションのベースプラットフォームとして活用するための取り組みDAHDI/
FreeBSD Projectの完成が近づいていることが報告されています。 - Enhancing the FreeBSD TCP Implementation
SIFTRの実装が9-CURRENTに追加されたことが報告されています。