2010Q3 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から興味深い話題を紹介します。
- Kernel Event Timers Infrastructure
Alexander Motin氏から新しいカーネルイベントタイマーに関する開発状況が報告されています。これまでFreeBSDは定期的にタイマー割り込みを発生させて各種処理を実施していました。Alexander Motin氏が取り組んでいる開発はこれに代わってワンショットタイマー割り込みを実装するというものです。必要な時にだけ割り込みを発生させるようにして不要な割り込みを削減します。
9-CURRENTにはすでにこの新しいタイマー機能とタイマーAPIが取り込まれています。amd64、
arm (Marvell)、 i386、 mips、 pc98、 powerpc、 sparc64、 sun4v版にすでに実装が取り込まれています。現在取り込まれているワンショットタイマーには次の特徴があります。 - アイドル時における割り込み回数の大幅な削減
- アイドル時におけるCPUスリープ時間の増加
- 8コアシステムへの対応
- 消費電力の削減
- Intel TurboBoost技術効果の向上
今後の開発課題としてarm、
ia64、 XEN PVにおけるリファクタリングと、 タイマーベースイベントを削減するためにそれぞれのサブシステムにおける関連コード部分の書き換えなどがあげられています。この取り組みは無駄な割り込みを減らすことで消費電力を削減する効果があり、 サーバを運用している場合にとくにその効果が期待されます。