FreeBSD Daily Topics

2011年3月30日高精度タイムプロトコル(IEEE-1588)デーモンPTPd

2011年3月19日と20日、東京理科大学森戸記念館においてAsiaBSDCon 2011が開催されました。東北地方太平洋沖地震の影響で講演者が来日できないなど、日程や実施方法を大幅に変更しての実施となりました。AsiaBSDCon 2011からいくつかのセッションを紹介します。

Synchronizing Systems on a LAN: An Introduction to PTPd

George Neville-Neil氏からはFreeBSDで開発された高精度タイムプロトコル(IEEE-1588)デーモンPTPdに関する発表が実施されました。インターネットを経由して時刻の同期を実施する場合、NTPを使用するのが一般的な方法です。PTPはNTPよりも高い精度での同期を実現する方法で、主にLANの内部においてミリ秒以内の誤差で時刻の同期を実現します。

LAN内のマシンに高い時刻同期が求められる事例としては、ファクトリーオートメーションが進められた環境でそれぞれの機械が正しく同期するために必要になったり、金融システムにおけるアプリケーション同期の必要性といったものがあります。通常のエンタープライズ用途ではこれほど高い同期性が求められることはあまりなく、特定の業界向けの機能と言えます。

開発されたPTPdはFreeBSDのみならずLinuxなどほかの環境でも動作します。LAN内におけるシステム同士の高い時刻同期性が必要になる場合にはPTPdは魅力的な候補といえます。

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