2010Q4 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から興味深い話題を紹介します。
- mdocml Replacing groff For manpage Rendering
current - Ulrich Sporlein氏からmdocmlに関する取り組みが紹介されています。もともとオンラインマニュアルはgroffを使ってレンダリングされていましたが、
groffをオンラインマニュアルのレンダリングに使用するのは次の懸念が存在します。 - groffのコードは難解でメンテナンスが大変
- オンラインマニュアルで利用するgroffの機能はそのごく一部であり、
groffのすべてが必要というわけではない - groffのライセンスがGPLでありベースシステムへ取り込むことができない
(contrib扱い)
こうした問題を受けてすでにNetBSDおよびOpenBSDではBSDライセンスベースのツール
(mdocml) への置き換えが実施されています。FreeBSDにおいても同様の置き換えを実施しようというのがUlrich Sporlein氏の取り組みとなります。 前回レポートしたときからtbl(1)サポートの実装が進んだことが報告されています。groff(1)についてはtextproc/
groffとしてPorts Collectionに登録されたほか、 ベースシステムにおいてgroff(1)およびvgrind(1)をビルドしないためのカーネルオプション 「WITHOUT_ GROFF」 が追加されました。現在のところgroff(1)はベースシステムにおいてビルドが実施されますが、 いずれデフォルトでビルドされなくなると見られます。