FreeBSD Daily Topics

2011年5月19日BHyVe ビハイブ - FreeBSDベースのハイパーバイザ登場/BSDライセンス

2011年5月13日および14日、カナダのオタワにて*BSD国際会議「BSDCan 2011」が開催されました。11日および12日にはチュートリアルが開催された他、FreeBSD DevSummitも開催されています。4日間の中から、とくに興味深い話題をピックアップして紹介します。

BHyVe - BSD Hypervisor
BSDCan 2011でもっとも注目を集めた発表は「BHyVe」だったように思います。BHyVeは「BSD Hypervisor」からきた名前で、beehive (ビハイブ)と発音します。NetAppがFreeBSDをベースに開発したハイパーバイザで、BSDライセンスのもとで公開されています。ホストOSはFreeBSD 8.1 amdです。動作するにはIntel VTxおよびネストページテーブルをサポートしたIntelプロセッサが必要です。現在のところ次のOSがゲストOSとしてサポートされています。
  • FreeBSD 8.1 amd64+カーネルに多少のパッチ
  • FreeBSD 7.2 amd64+カーネルに多少のパッチ
  • 仮想コアは8つまで割り当て可能
  • IOはVirtIOまたはパススルーで動作

Windows、Linux、他の*BSDをゲストOSとしてサポートする開発は今後の課題とされています。またAMD-Vのサポートや、ゲストにおけるサスペンド/レジューム、ライブマイグレーション、BIOSエミュレーションなども今後の開発課題に挙げられていました。

ホストとなるFreeBSDのカーネルはGENERICのままです。カーネルモジュールおよびVirt*が同機能を実現しています。ホストでは仮想マシンはデバイスノードとして登場するというのが特徴で、ioctrl経由でゲストを制御することになります。

メモリは固定サイズで確保され、仮想マシンへ割り当てられます。共有は実施されないほか、ホストからこのメモリ確保は隠蔽されているとのことです。この仕組みを採用した理由はメカニズムを単純にするためだと説明がありました。

BHyVeは大量のFreeBSDを割り当てた仮想環境を構築するために注目される技術です。しかもBSDライセンスのもとで提供されており、最終的にFreeBSDにマージが期待できるところが興味深いといえます。手軽に利用できるようになるにはまだ時間がかかるとみられますが、今後最も動向を注目しておきたい技術です。

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