2011Q1 FreeBSD Status Reportが公開されました。報告されている中から興味深い話題を紹介します。
- GEOM-based ataraid(4) Replacement - geom_
raid current - FreeBSD 9-CURRENTに新しく追加された
「GEOM RAIDクラス」 が報告されています。これは従来、 ataraid(4)で提供されてきたBIOSベースのソフトウェアRAIDを置き換えるために導入された機能です。Cisco SystemsおよびiXsystemsの支援のもとで開発されています。 FreeBSD 9は従来のata(4)サブシステムを廃止し、
かわりにCAMにATAの機能を統合します。ATAをCAMサブシステムのもとで一元的に扱えるようになります。ataraid(4)はata(4)サブシステムに依存する形で開発されていたため、 結果的に9以降はデフォルトでは使えなくなります。GEOM RAIDクラスはこれを解決するためにGEOMクラスとして開発されたRAID機能です。ATAのディスクドライバとも、 CAMのディスクドライバとも組み合わせて利用することができます。 現在のところ、
メタデータフォーマットとして実装されているのはIntel、 JMicron、 NVIDIA、 Promise (AMD/ ATI)、 SiliconImageです。サポートされているRAIDレベルはRAID0、 RAID1、 RAID1E、 RAID10、 SINGLE、 CONCATとなります。 どのRAIDレベルを採用しても、
どのメタデータフォーマットを使用しても 「読み込み、 書き込み、 作成、 削除、 ディスク挿入、 ディスク外し、 再構築、 不正シャットダウン検出と再同期、 不良セクタリカバリ、 障害ディスクトラッキング、 ホットスペアディスク」 といったボリューム操作のすべてのサイクルがサポートされます。IntelまたはPrimiseフォーマットに対してはさらにディスクセットごとのマルチボリュームもサポートされています。 GEOM RAIDクラスの操作はgraid(8)から実施します。操作の詳しい内容はgraid(8)のオンラインマニュアルをご覧ください。今後の開発としては、
まだサポートしていないフォーマット (DDF、 Highpoint、 VIAなど) 向けメタデータモジュールの実装、 まだサポートしていないRAIDレベル (RAID5など) を実現するための変換モジュールの実装などが挙げられています。