eurobsdcon
- GPLed-toolchans-free FreeBSD 10
DevSummit2011の初日は、
それぞれ関心ごとのあるワーキンググループに分かれて特定のトピックについて議論する形式でのサミットが開催されました。その中で、 GPLフリーのツールチェーン実現へ向けた取り組みが 「FreeBSD 10」 を具体的な目標として進めていくというコンセンサスが開発者の間に生まれつつあることを感じました。 FreeBSDはベースコードにGPLv3ライセンスのコードを取り込まない方針を採用しているので、
どのみちGCCから別のコンパイラおよびツールチェーンへ移行する必要があるのは事実です。BSDライセンスのもとで提供され、 さらに開発も活発なLLVM Clangが候補に上がるのも、 ほぼ当然な状況といえます。LLVM ClangはAppleが開発を支援していますし、 他の大手ベンダも自社プロダクトで採用を進めています。カーネル/ワールドおよびサードパーティアプリケーションをLLVMでビルドできるインフラへ仕組みを変えていくことは、 状況的に考えて妥当な方向性の1つというわけです。 i386とamd64に関してはLLCM Clang対応がかなり進んでいますし、
BSDライセンスのlibc++が導入されたことでツールチェーンのフルBSDライセンス化はかなり近いところまできています。最後にリンカーという砦が存在するのですが、 ここをクリアできるとFreeBSD 10でのGPLフリーツールチェーン化がかなり現実的なものとなります。 FreeBSD 9はブランチが切られてからリリースまで約2年間の開発期間を経ました。同様のリリースエンジニアリングが実現されれば、
FreeBSD 10の開発期間もだいたい2年間ということになります。GPLツールチェーンフリーが実現された場合、 2013年末か2014年前半に登場すると見られるFreeBSDは、 データセンターから高性能アプライアンス、 組み込みデバイスまで幅広い用途でこれまでよりも採用しやすい状況になる可能性があります。