FreeBSDではUSBマウスに関しては特別な設定をしなくても使えるように設定されています。USBマウスはdevd(8)経由での検出およびmoused(8)の起動という流れになりますので、/etc/rc.confに「moused_enable="YES"」といった指定も必要ありません。これは重複起動になるので、逆に「moused_enable="NO"」と書いておいたほうが良いでしょう。活線挿抜に対しても問題なく動作します。
しかし、PS/2-USB変換器やKVMスイッチを使っている場合にマウスがおかしな動きをすることがあります。原因はいくつかあると思いますが、問題の1つに存在しないマウスデバイスに対してmoused(8)が実行されているというものがあります。USBマウスを1つしか接続していないのに、USBマウスデバイスが2つ以上生成されている場合にはその可能性があります。
usbconfig(8)でUSBデバイスをチェックします。
ugen0.3として認識されているデバイスが実に怪しい感じです。usbconfig(8)にshow_ifdrvを指定してデバイスを調べると、ums1が生成されていることがわかります。ugen0.3はPS/2-USB変換器なのですが、ここで接続していないマウスデバイスが生成されているわけです。
とりあえずPS/2-USB変換器の詳細情報を取得しておきます。
対処方法はいくつかあります。/etc/devd.confを直接書き換えることで対処することもできます。ここでは/usr/local/etc/devd/にスクリプトを追加して対処する方法を紹介します。/etc/devd.confを書き換えると、システムのアップデートの度に/etc/devd.confのマージや確認作業が必要になって面倒だからです。usbconfig(8)のdump_device_desc指定でプロダクトIDやベンダIDを特定してから、次のような設定ファイルを作成して/usr/local/etc/devd/にコピーします。ここではelecommouse.confとして作成しました。
これはPS/2-USB変換器のマウス部分が認識されたあとに動作し、起動されたmoused(8)を終了する処理を実施します。アタッチ/デタッチ・優先順位・デバイス・ベンダID・デバイスIDなどで動作すべき対象とタイミングを絞り込むことができます。このようにdevd(8)の動作には後から任意のタイミングで動作する設定を追加することができますので、結構便利です。
デバイスが認識されるタイミングと処理順序のタイミングでたまに処理に失敗することがあります。特に無線LANマウスを使っているとその傾向が見られるように思います。その場合、一旦USBマウス側を活線挿抜するとだいたいそのまま利用できます。