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2013年2月14日PC-BSD/TrueOS、パッケージをpkg(8)へ・システムアップデートをfreebsd-update(8)へ変更すると新戦略を発表

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Status Update and Future Plans

PC-BSD/TrueOSの開発者から、今後のPC-BSD/TrueOSに関する戦略転換が発表されました。かなり興味深いものになっています。

PC-BSDはFreeBSDベースのワークステーション向けディストリビュションです。FreeBSDベースのデスクトップ環境が必要な場合には第一候補です。FreeBSDの動作確認やベンチマーク向けの環境として使われることも増えています。ここ数年はサーバ用途に特化したFreeBSDベースのディストリビューション「TrueOS」もリリースされてきました。PBIと呼ばれるパッケージ管理システムを採用しており、パッケージ単体の独立性が高く、パッケージ単体のバージョンアップやローロバックが他のアプリやシステムに影響しにくいという特徴があります。

PC-BSD/TrueOSはこれまでFreeBSDのリリースに合わせてリリースを実施してきました。FreeBSDのリリースは遅延する傾向にあり、PC-BSD/TrueOSのリリースもこれに合わせて遅れてきました。新戦略では、まずこの点を変更するとしています。

新しいリリースモデルは「ローリング・リリース」と呼ばれており、FreeBSDのリリーススケジュールとは関係なく、時間ベースで定期的に新しいパッケージをリリースするとしています。発表内容通りであれば、たとえばKDEやNVIDIAドライバ、Apache HTTPd Serverの新バージョンがリリースされれば、数日以内にはそれらのパッケージを提供するとしています。

そしてこの「ローリング・リリース」を実現するために、現在のビルドシステムではなく、FreeBSD 10.0に導入される新しいパッケージ管理システムpkg(8) (開発コード名pkgng)を採用するとしています。つまり、PC-BSDやTrueOSはpkg(8)コマンドでインストールされるパッケージ集になるということになります。

pkg(8)リポジトリとしてPC-BSDが提供するサーバを指定すれば、そこからPC-BSD/TrueOSをインストールできるというわけです。PC-BSD/TrueOSのISOイメージや仮想環境イメージをダウンロードしてきてインストールやセットアップをしなくても、pkg(8)コマンドでPC-BSD/TrueOSの環境を構築できることになります。完全なパッケージリポジトリを提供すると説明があるので、場合によってはFreeBSDプロジェクトが提供するパッケージリポジトリの代わりに使うこともできるかもしれません。

そしてもうひとつ注目されるのが、ベースシステムのアップデートをfreebsd-update(8)経由で提供するように変更するという説明があることです。専用のfreebsd-update(8)サーバを提供すると説明があります。対象ブランチはSTABLEとCURRENTとされており、時間ベースで定期的にベースのFreeBSDをアップデートする仕組みに変更するということになります。

つまり今後のPC-BSD/TrueOSは、FreeBSD 10.0で登場する最新のパッケージ管理システムpkg(8)とデフォルトのシステムアップデート機能freebsd-update(8)を活用し、さらに時間ベースで短時間でのアップデートが可能なディストリビューションになる、ということになります。最新の安定版や開発版を使い続けたいという場合、特に便利になるといえそうです。

ただし、こうしたアップデートは強制されるものではなく、特定のバージョンをアップデートせずに使い続けたいという用途にも対応すると説明があります。従来通り、FreeBSDのリリースに合わせてISOイメージや仮想環境イメージも提供されていくようです。

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