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2013年10月11日PC-BSD 9.2-RELEASE、ルートパーティションZFS化

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PC-BSD 9.2-RELEASE Now Available

PC-BSDの最新版となる「PC-BSD 9.2-RELEASE」公開されました。ダウンロードページからamd64版(x64版)をダウンロードできます。PC-BSD 9.2-RELEASEはFreeBSD 9.2-RELEASEをベースに構築されています。ルートパーティション含め、スワップ領域以外はすべてZFSで構築されています。

図1 FreeBSD 9.2-RELEASEベースのPC-BSD 9.2-RELEASE
図1 FreeBSD 9.2-RELEASEベースのPC-BSD 9.2-RELEASE
図2 スワップ領域以外はZFSで構築されている
図2 スワップ領域以外はZFSで構築されている

Life-Preserver(/usr/local/bin/life-preserver)が新しく書き換えられていてZFSスナップショットの作成、リストア、レプリケーションなどの操作ができるようになっています。同じくブートマネージャにも変更が加えられZFSルートパーティションの操作ができるようになりました。

AppCafeも新しいバージョンへ差し替わっています。PBIとAppCafeという従来からあるPC-BSDのパッケージ管理システムに加え、PC-BSD 9.2-RELEASEからはpkg(8)によるパッケージ管理も追加されています。pkg(8)とシステムパッケージマネージャが連動して動作します。ダウンロードにはScaleEngineが提供するCDNサービスが活用されています(ScaleEngineは最近の*BSDカンファレンスでスポンサー企業として目にする機会が増えています⁠⁠。

図3 AppCafeとシステムパッケージマネージャ
図3 AppCafeとシステムパッケージマネージャ
図4 システムパッケージのアップデートは自動通知が来るので、基本的には気がついたときにクリックすればアップデートされる
図4 システムパッケージのアップデートは自動通知が来るので、基本的には気がついたときにクリックすればアップデートされる
図5 システムパッケージマネージャとpkg(8)は連動して動作
図5 システムパッケージマネージャとpkg(8)は連動して動作

Jail管理マネージャであるWardenもアップデートが実施されました。VIMAGEを有効にしたjailが構築できるようになったほか、IPv4やIPv6を関連付けないjailが構築できるようになりました。

図6 IPを指定しないjailを構築可能になったWarden
図6 IPを指定しないjailを構築可能になったWarden
図7 jail環境構築完了
図7 jail環境構築完了
図8 jail使用例
図8 jail使用例

PC-BSD 9.2ではユーザアカウントの作成時にユーザのホームディレクトリ以下を暗号化するかどうかを指定できるようになっています。暗号化を有効にするとPEFS(/usr/ports/sysutils/pefs-kmod/)ベースの暗号化が実施されるようになります。PEFSに関する説明はにここに簡潔にまとまっています。

図9 PEFSでホームディレクトリ以下を暗号化
図9 PEFSでホームディレクトリ以下を暗号化

この機能を有効にするとファイル名とファイルの内容が暗号化されるようになります。ユーザがログインしていない状態ではファイル名やパスは意味不明な文字列の羅列に見えます。ログインマネージャ経由でログインすると扱えるようになります。su(8)やssh(1)経由でログインした場合には暗号化されたままです。

図10 ログインすると復号化される
図10 ログインすると復号化される

ローリングリリースバージョンのPC-BSDを使っている場合には自動的にPC-BSD 9.2-RELEASEへのアップグレードが実施されます。PC-BSD 9.1-RELEASEを使っている場合には、ルートパーティションのZFS化を実施するためにデータのバックアップを取ってからPC-BSD 9.2-RELEASEを新しくインストールする方法が推奨されています。

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