秋の新リリースラッシュも一段落し、やや落ち着いた感を取り戻したかのように見えるLinuxコミュニティだが、メジャーなディストリビューション開発部隊はすでに次のリリースに向けての活動を始めている。先日、三大人気ディストロであるUbuntu、Fedora、openSUSEの次期ロードマップが出揃ったので、これを紹介したい。
Ubuntu 10.04
3年ぶりのLTSバージョンになるUbuntu 10.04のコードネームは"Lucid Lynx"。コアラからヤマネコにバトンタッチした。開発リーダーのMark Shuttleworth氏は、次バージョンが"クリア(lucid)"であることを強調している。
12月10日に予定されている最初のアルファ版を皮切りに、アルファ版を3回、ベータ版を2回リリースしたのちRC版を公開、その1週間後である4月27日に正式バージョンが公開される計画となっている。なお、待望のGNOME 3.0の実装は、GNOME側の開発の遅れにより、このバージョンでの実現は難しいと見られている。
Fedora 13
年に2、3回のアップグレードを行うFedoraの次のバージョンは13、コードネームはSegovia、Commodus、Buland Darwaza、Methodius、Plato、Watergateなどの候補が挙がっているが、現在のところ未定。今月5日ごろまでには決定する予定だ。
2010年2月9日にフィーチャーフリーズを行ったのち、2月16日にアルファ版をリリース、4月6日のベータ版を経て4月29日にRC版を出し、5月11日に正式リリースを予定している。ただし、FedoraはUbuntuに比べると、リリーススケジュールが後ろにずれ込むことが多いため、場合によっては6月以降になる可能性もある。
openSUSE
openSUSEの次期バージョンopenSUSE 11.3は、12月11日に最初のマイルストーン版をリリースし、計7回のマイルストーン版ののち、6月17日のRC1、7月1日のRC2を経て、7月15日に正式公開となる運びだ。
もっともopenSUSEの場合、UbuntuやFedoraと異なり、現バージョン(11.2)の知名度がそれほど高くないという悩みを抱えている。openSUSEのコミュニティマネージャであるJoe Brockmeier氏は、「11.3をより成功させるためにも、現バージョンである11.2のマーケティング活動を積極的に展開する必要がある。開発チームとマーケティングチームは互いに情報を共有しながら進めていかなければならない」としている。