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2009年12月10日仮想化/クラウド機能を大幅強化、リアルタイムLinux「Red Hat Enterprise MRG 1.2」リリース

Red Hatは12月7日(米国時間⁠⁠、Red Hat Enterprise Linux 5.4(RHEL 5.4)をベースとしたしたリアルタイムLinux「Red Hat Enterprise MRG 1.2」をリリースした。"MRG"とは"Messaging, Realtime and Grid"の略。2008年6月に最初のリリースが登場して以来、膨大なトランザクションをリアルタイムに処理することが求められる軍や金融機関などに多くの導入事例をもつ。

Red Hat Enterprise MRG 1.2は、今年9月にリリースされたRHEL 5.4をベースにしているため、仮想化環境(KVM)およびクラウドコンピューティングのサポートが大幅に強化されている。またメッセージング/リアルタイム/グリッドの3つのテクノロジが、より強固に結びつけられているのも特徴だ。

●メッセージング

コアメッセージングのインフラ部分とパフォーマンスが大幅に向上。InfiniBandにおいて、1秒間&1システムあたり150万のリライアブルメッセージのスループット、RDMA(リモートDMA)では40マイクロ秒以下のレイテンシを達成している。またKVM環境におけるメッセージングのパフォーマンスも、スループット/レイテンシともに大幅に改善されている。

●リアルタイム

パフォーマンスの向上はもちろんのこと、今回のバージョンから新たに動作中のハードウェアパフォーマンスを計測するユーティリティ"rteval"が含まれている。ユーザはこれにより、各ハードウェアの遅延状況を把握できるようになる。

●グリッド

もともと、クラウド環境などに分散するWebサーバやアプリケーションのスケジューリングを可能にするグリッド機能だが、1.2からはKVMベースの仮想マシンのスケジューリングもサポートする。またクラウド環境におけるスケーラビリティも大幅に向上した。なお、Red Hat Enterprise MRGのグリッド機能はウィスコンシン大学マジソン校によるオープンソースプロジェクト「Condor」をベースにしている。

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