Linuxカーネルは次のバージョンである「Linux 2.6.33」に向けて鋭意開発中である。そのさなか、Red HatのDavid Airlie氏がカーネル開発者のメーリングリスト「LKML」(Linux Kernel Mailing List)に投稿した内容が話題になっている。
NVIDIAのグラフィックカードを使用しているLinuxユーザは、フリーのnvドライバを使うことがほとんど唯一の選択肢だった。この場合、3Dアクセラレーションはあきらめざるを得ない。それを打開するため、Red Hatに籍を置くAirlie氏やBen Skeggs氏は、NVIDIAカードを完璧に動作させるドライバを開発すべく"Nouveau"プロジェクトを立ち上げた。その成果物の一部はFedoraには取り込まれているものの、Linuxカーネル開発チームに提供されることはなかったのだが、これについてLinus Torvalds氏が12月10日、強い不満をLKMLで訴えた。
「Red Hatはカーネル開発のメインラインにNouveauをまったく提供しようとする気がない。いったい全体、どういう理由なわけ?(What the _hell_ is going on? )」
(Linus氏はメンバーをかなり強い口調で非難することがままある)
すると、Linus氏のメールから24時間しないうちに、Airlie氏が返答した ─Nouveau DRMをLinuxカーネルに提供します、と。
このニュースに、カーネル開発者たちだけでなく、多くのNVIDIAユーザが驚きと喜びに包まれることになったのは言うまでもない。3万6,000行にもおよぶ膨大なコードだが、現在のNouveauはほぼすべての最新NVIDIAカードをサポートしているといわれている。2月にリリース予定のLinuxカーネル 2.6.33にさっそく取り込まれることになりそうだ。
うまく開発が進めば、次のメインディストリビューションでは、カーネルベースでNVIDIAカードがサポートされることになる。この「Red Hatからのビッグなクリスマスプレゼント」に、悪態?をついたLinus氏も「Thank you. The squeaky wheel _does_ get greased. (ありがとう、ゴネてよかったよ)」とご満悦のようだ。