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2010年1月20日次のLinuxカーネルは3月初旬に、注目ポイントはやはり"Nouveau"

Linuxカーネルの次期バージョン2.6.33は順調に開発が進んでおり、3月初旬には公開できそう-LinuxカーネルのメインコントリビュータのひとりであるJonathan Corbet氏が『Computerworld』のインタビューでこう語ってる。2.6.33での最大の注目は、やはり、Linus Torvalds氏が熱望?したNVIDIAドライバ「Nouveau」の実装だと見られる。

Corbet氏によれば、開発はしごく順調に進んでおり、新機能の追加はひととおり終了し、現在は安定化に向けての作業が中心だという。デバイスドライバ開発のスペシャリストでもあるCorbet氏は、自身にとって最も力を入れたポイントがNVIDIAドライバをリバースエンジニアリングした「Nouveau」だとしている。すでにお伝えしたとおり、Red HatによるNouveau DRMの提供で開発が一気に進み、カーネルレベルでの実装が実現することとなった。⁠2009年はデバイスドライバ開発で大きな進展があった年だった」と同氏は振り返る。

その他の大きな新機能としてCorbet氏が挙げているのが「SolarisのDTraceに対する我々からの回答」と自信を見せる動的トレース機能「ftrace」だ。OSやプログラム(ミッションクリティカルなアプリケーションを含む)で現在何が起きているかをトレースし、リアルタイムに近い形で出力することが可能になる。もともとシンプルな計測ツールだったftraceだが、多くの開発者によって改良が加えられ、膨大なトランザクションを抱える金融機関やISPなどの要求に応えられるレベルにまで成長した。なお、同氏によれば、今後のカーネル開発において、トレース機能はさらに強化される予定だという。次は「スケーラビリティの改善」がポイントだそうだ。

「残念ながらデスクトップのシェアはいまだにWindowsのほうが高いけれど、パーソナルデバイス全体で見ればスマートフォンや電子ブックリーダーがPCのシェアをどんどん奪っている。ほとんどの電子ブックリーダーではLinuxが動いているから、シェアについてはあまり気にしていない」とCorbet氏。全世界で2,000人の開発者が年間5万もの変更を加えるというLinuxカーネル開発プロジェクト、気がつけば持ち物すべてにLinuxが入っているという時代も近いのかもしれない。

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