Microsoftは2月22日(米国時間)、Amazon.comとの間で特許クロスライセンス契約を締結したことを明らかにした。これにより両社は互いの特許技術を利用できるようになり、MicrosoftはAmazonのもつ"幅広い製品と技術" を製品開発に取り込むことが可能になる。これらの中には電子ブックリーダーKindleやそこで使われている技術(OSS含む)、クラウドサービスAWSなどを構築するAmazonのLinuxサーバ技術、etc. が含まれている。
契約の詳細は明らかにされていないが、Microsoftのリリースによれば、AmazonがMicrosoftに対し"契約にもとづいた金額"を支払うことになるという。
MicrosoftはこれまでにもニコンやNovell、Appleなどと同様の契約を結んできているが、一方でLinuxベースのGPSナビシステムを開発するTomTomなどのOSS系ベンチャー企業に対しては特許侵害訴訟を起こしており、強気の姿勢を見せている(裁判は今も継続中)。今回のAmazonとの契約は、大企業との無駄な訴訟合戦は避ける戦略の一環なのかもしれない。
なお、Linux FoundationのエグゼクティブディレクターであるJim Zemlin氏はこのニュースについて「とくに語るに値しない話」とコメント、MicrosoftがAmazonの技術を手にしてLinux/OSSに攻撃をしかけてくるのでは……と懐疑的な一部のOSS関係者に対し、「つまらない憶測はやめよう。我々には開発すべき本物のコードがあるのだから」と呼びかけている。