Linuxカーネル開発のトップに立つのはご存知Linus Torvalds氏である。
ヘルシンキ大学在学中からコードを書き続けて現在は40歳。
そしてLinus氏とともにLinuxプロジェクトを支え続けたカーネルメンテナーたちも当然、一緒に年を重ねてきた。
Linuxが誕生して20年、にもかかわらず主要どころの開発者の顔ぶれがいまも変わらないってどうよ? …という話題が先週サンフランシスコで行われた
「Linux Foundation Collaboration Summit」で持ち上がったようだ。
4月15日に行われた主要メンテナーたちによるパネルディスカッションでこの話題は持ち出された。
最初に話を振ったのは『Linux Weekly News』の編集長でもあるJonathan Corbet氏。
メンテナーたちを見回し、「みんなgray(白髪混じり)になったよね」とコメントした。
これに対し、「上層部の入れ替えは起きてないね。だって我々(メインメンテナー)がまだそろっているんだから」(ファイルシステム担当のGreg Kroah-Hartman氏)、
「Linuxカーネルはこれからますますgrayになっていくだろう。何人かが死ぬまで進行しそう」(SCSI担当のJames Bottomley氏)、
「たしかにみんな、年をとったよ。正直、若いときのように情熱のままに動くことはもう難しい」(Linus氏の"右腕"的存在のAndrew Morton氏)
なんだか年寄りの茶飲み話を聞いているみたいだが、
メンバーの老化を認める一方でMorton氏は
「(長く関わってきたおかげで)メンテナーたちはLinuxコードに深く精通している。そしてさらにコードに深みが加わることを望んでいる」とし、
若い開発者たちが新たにカーネル開発に参加することを呼びかけている。
新旧のパワーがぶつかり合うことで、カーネルにさらなる進化をもたらす可能性はたしかに高い。
現在、Linuxはクラウドコンピューティングと組み込み分野で大きな市場を獲得しようとしているところである。
ここでカーネル開発に新しい血を取り入れることで、今までにない大きな飛躍を期待できるかもしれない。
もっとも、大御所たちもせいぜい40歳前後、まだ当面は第一線で開発を続けそうだ。