Ubuntuの開発者会議「Ubuntu Developer Summit」なるものがベルギーで開催され、ご存じUbuntuのリーダーであるMark Shuttleworth氏が講演で明らかにした「Unity」と「Ubuntu Light」がさっそく話題になっている。
Unity
Unityは次のUbuntu 10.10(開発コード"Maverick Meerkat")に搭載予定のデスクトップ環境のこと。Shuttleworth氏は「ネットブックのためのインターフェース」としている。狭いネットブックの画面上では、いくつもアプリケーションを立ち上げて作業することは難しく、ブラウザのみ画面いっぱいに使い、別のアプリを使うには一度ブラウザを非表示にしてアクセスするのが普通だ。だが、もし1つのアプリケーションしか表示できなくてもアプリケーション間をスムースに遷移できれば、ユーザのストレスは大きく緩和されるだろう。
ネットブックは縦方向のスペースは非常に貴重だが、横方向にはやや余裕がある。Unityではここに注目し、Shuttleworth氏は以下のようなイメージを紹介した。
ポイントは3つ。1つはボタンのパネルを左端に寄せていること。これでアプリケーションの起動や切り替えがしやすくなる。2つめは左側のランチャーパネルを拡げ、タッチに対応しやすくしていること。そして最後がグローバルメニューを上部に配置していることだ。
ネットブックのインターフェース改善は、Shuttleworth氏がここ最近つねづね話題にしているトピックで、それだけ同氏が力を入れている部分。すでに10.04でもPPAが入手可能になっているので、興味ある向きは試すことができる。
Ubuntu Light
Ubuntu Lightは"インスタントUbuntu"、つまりはOEM向きのライトバージョンだ。Windowsなど他のOSとのデュアルブートを前提にしているユーザを対象にしている。こちらも最初はネットブック版(前述のUnitiyベース)で登場するらしく、起動やアプリケーションの動作を高速化するために、各ハードウェアベンダの仕様に沿った形で提供されるという。"Light"の名前が表すとおり、ブラウザやメーラ、メディアツールなど、デスクトップユーザに必要な最小限のアプリのみが同梱されるようだ。