現在、メジャーなLinuxディストリビューションのほとんどはデフォルトのファイルシステムとしてext4、またはそのひとつ前のext3を採用している。この"EXTファミリ"はずいぶんと長いことLinuxファイルシステムの主流にあったけど、もしかしたらそろそろ世代交代の時期が迫っているのかもしれない。
次世代ファイルシステムの主流はbtrfs!?
UbuntuチームのScott James Remnant氏は自身のブログで、Ubuntuの次のリリースであるMaverick Meerkat(Ubuntu 10.10)では、btrfs(読み方には諸説あるが、"バターファイルシステム"か"ビーツリーファイルシステム"が一般的)を「インストール時にオプションとして選択できるようにする計画が進んでいる」とコメント、さらにまだ正式には何も決まっていないとしながらも「Maverickのα版では、もしかしたらbtrfsをデフォルトのファイルシステムに採用するかもしれない」とその可能性に言及している。
もともとOracleによって開発されたbtrfsは、次世代ファイルシステムの最右翼と見なされているコピーオンライト(copy on write)型のファイルシステムで、2009年3月にリリースされたカーネル2.6.29よりメインラインに取り込まれた。EXT系では難しかった大規模ストレージの高速管理を実現するファイルシステムとして期待が高い。
Remnant氏は、Maverickで採用予定のLinuxカーネル2.6.35でbtrfsが実験的なファイルシステムの位置づけから脱していることが最低の条件としており、加えて、現在のところGRUB2やインストーラではbtrfsがサポートされていないため、フィーチャーフリーズまでにこれらがクリアされていなければならないとしながらも、「Maverickでbtrfsをデフォルトにする可能性はゼロではない ─20パーセントくらいの確率はあるのでは」としている。
もしbtrfsがデフォルトファイルシステムとなれば、MavreickはこれまでのUbuntuの歴史においてもかなりチャレンジングなリリースとして名前を残しそうだ。