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2010年5月21日混迷きわめるLinuxのビデオコーデック問題、GoogleのVP8は救世主となるか!?

最近のニュースなのでご存じの方も多いと思うが、GoogleがMozilla、Operaとともに5月19日に発表したOSSのビデオコーデックプロジェクト「WebM」は、多くのLinuxユーザから驚きと歓迎の声で迎えられた。WebMは、Googleが今回寄贈したビデオコーデック技術「VP8」をベースにしており、オーディオコーデックのVorbisなども含まれる。

現在、ビデオコーデックの主流となっているH.264は著作権がMPEG-LAコンソーシアムに帰属する。このため、MozillaはFirefoxでのH.264のサポートを拒否し続けており、逆にAppleはH.264があるからこそFlashをサポートする必要がないと強硬姿勢をとり続けている。一方Linux陣営においては、先日CanonicalがUbuntu用のH.264ライセンスを受けることを発表し、ユーザの間で支持派と否定派に大きく意見が分かれたことは記憶に新しい。

Firefoxが採用しているオープンソースのビデオコーデック「Ogg Theora」はVP8のかなり前のバージョンであるVP3をベースにしているため、H.264などに比べて見劣りする部分が多い。このためGoogleによるVP8の寄贈はMozillaにとっては朗報であり、Flashを擁するAdobeなども歓迎の意を示している。そしてもちろん、Appleは「WebM/VP8などサポートする気はまったくない」と発表している。

ライセンスがどうであれ、H.264を採用したコンテンツが世の中に数多くある以上、UbuntuのようにH.264サポートに動いたほうがいいという意見と、OSSならOSSのコーデックを使うべきだという意見、さらには特定の1つの技術だけにロックインされるのがOSSとして不健全という声もある。いずれにしろ、今後のビデオコーデック技術はH.264とWebM/VP8を中心に推移していくのは間違いないだろう。

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