全世界のユーザをあっという間にトリコにしたAppleのiPad、そして思わず誰もが「欲しい!」と思わされた新iPhone 4の影響か、タッチ端末競争に参戦する企業がハード/ソフトベンダともに相次いでいる。Linux関係者もご多分にもれず、タッチ端末への関心は強く、先日紹介したMeeGoなどもすでにタッチ端末での動作を視野に開発を進めている。そしてかのUbuntuを擁するCanonicalもタブレット版の開発に本腰を入れるようだ。
CanonicalのOEMサービスを率いるバイスプレジデント Chris Kenyon氏が「InfoWorld」に語ったところによれば、Canonicalは「機能をシンプル化した、タッチフレンドリなUIを備えた軽量バージョンのLinux」を2011年冬にはリリースするとのことだ。ベースとなるOSはこの10月にリリース予定のMaverick MeerkatことUbuntu 10.10になるもよう。同氏はタッチ端末市場はこれからますます拡大すると見ており、「Canonicalが市場に参戦する余地は十分にある」としている。
問題となるのはその“タッチUbuntu”が動くハードウェアだが、すでにCanonicalはいくつかのタブレットメーカやハードウェアベンダと交渉を開始しているようだ。ハード選びでは"高速な動作"と"低消費電力"を最も重要な条件としているという。これまでCanonicalはFreescale、Texas Instruments、MarvellといったARMプロセッサ関連企業、Intel、ディスプレイ企業のPixel QiIntelなどとの協業を経験しており、タブレット端末においてもこういった企業との交渉が中心となると見られる。
なお、「あまりにも強豪がひしめきすぎている」ため、スマートフォン版Ubuntuを開発する計画はまったくないという。