先日リリースされたばかりのFedora 13はその先進性が話題になっているが、一部のユーザやデベロッパの目は早くも次のFedora 14に向いているようだ。Fedora14のロードマップは今週末に発表される予定だが、FedoraプロジェクトメンバーのRahul Sundaram氏が「Fedora 14で実現する3つの新機能」を自身のブログで公言している。以下、その内容を簡単に紹介しよう。
[その1]LZMA/Xzによる画像圧縮
Fedoraは以前からデータロスが少ないなどの理由から、データ圧縮技術としてLZMA/Xzに注目しきた。すでにFedora 12からRPMペイロード用にLZMAを使用しているが、Fedora 14ではさらに一歩進んで、ライブイメージの圧縮にもLZMAを使う。ゲームなどサイズの大きい画像を大量に必要とするパッケージには最適だが、ゲームだけでなくFedora全体に利するところが大きい。LZMAによって10%はサイズを縮めることができるだろう。
[その2]高速画像ブラウジングを可能にするlibjpeg-turbo
JPEGライブラリのデフォルトをlibjpegライブラリからlibjpeg-turboライブラリに変更する。これによってパフォーマンスが大幅に向上し、少なくとも2倍の圧縮率向上が見られるはずだ。libjpeg-turboはlibjpegと同じAPI/ABIをもっているため、MMX/SSE搭載のCPUプラットフォーム上で高速に動作するだけでなく、非SSEプラットフォームでも動作するところもポイントだ。とはいってもlibjpeg-turboはまだ開発中のため、Fedoraではレビュアーを募集している。
[その3]ストレージのマルチパスサポート
Fedora 13をすでに使っているなら、ストレージデバイスの選択画面が新しくなっていることに気づいただろう。ここしばらくのリリースで、Anaconda(Fedoraのインストーラ)はデバイスのハンドリングに関してずいぶん改良を加えてきたが、Fedora 14ではさらに新たなエンタープライズ機能─マルチパスデバイスサポート─を付け加える予定だ。これにより大容量ストレージを接続する際の可用性が大きく高まることになる。なお、マルチパスデバイスからブートする機能も搭載する予定だ。