The KDE teamは8月10日、統合デスクトップ環境「KDE 4.5.0」をリリースした。1,700以上の機能強化と1万6,000以上のバグフィクスが実施されている。KDEのインターフェース最大の特徴であるPlasma Workspaceが大幅に改善されたほか、多くの新機能やアプリケーションが追加、パフォーマンスと安定性の向上も図られており、久々のメジャーバージョンアップにふさわしく意欲的な変更点が目立つ仕上がりとなっている。
KDE 4.5の主な特徴は以下の通り。
KDE Development Platform
パフォーマンスと安定性が大きく向上し、長年の取り組みの結果、WebKitがデフォルトブラウザ「Konquer」のほか、多くのアプリケーションから利用可能になった。このWebKitとレンダリングエンジン「KHTML」の改良の結果、Webコンテンツのレンダリングスピードが大幅に高速化している。また、JavaScriptテンプレートを使ったPlasma Workspaceのカスタマイズが可能になった。
その他、アプリケーション用キャッシュメカニズム「KSharedDataCache」の追加、アプリケーション開発者のためのインターフェース「Kate’s SmartRange」の機能強化などが行われている。
KDE Plasma Workspace
デスクトップ/ネットブックともにインタフェースが大きく改善し、より洗練された印象を受ける。
KDEデスクトップでは、通知エリアがユーザビリティに配慮されたすっきりとしたデザインに変更されている。またPlasma Workplaceのウィンドウマネージャ「KWin」では、複数のアプリケーションを表示させる際に、それぞれの画面をオーバーラッピングさせることなくレイアウトすることが可能になった。前バージョンから追加されたズームインタフェース「ZUI」は「Activity Manager」の一機能に変更されている。
KDEネットブックにも多くの機能強化が実施されているが、そのほとんどが「目に見える部分ではない」が、パフォーマンスおよびタッチ機能が大幅に改良されているため、ユーザエクスペリエンスの向上を実感できるという。
KDE Applications
多くのアプリケーションが追加/機能強化されている。変わったところでは、Pythonで書かれた初のメジャーKDEアプリとして4人対戦用麻雀ゲーム「Kajongg」が新たに加わった。その他、多くのゲームアプリケーションに機能強化が行われている。
Google Earthに似たグローブアプリケーション「KDE Marble」にはルートプランニング機能が追加され、オプションとして地図ダウンロードが利用できる。