Mark Shuttleworth氏は8月17日付の自身のブログで、2011年4月にリリース予定のUbuntu 11.04のコードネームを"Natty Narwhal"に決定したと発表した。Nattyは「あか抜けた、スタイリッシュな」という意味の形容詞で、なんとなく小洒落たイメージを彷彿とさせる。そしてNarwhalはイッカク─海に棲むクジラの仲間で、その名のとおり長い角をもつ。Shuttleworth氏はこのコードネームにどんな思いを込めたのだろうか。
これが「イッカク」の骨格(「 大哺乳類展─海のなかまたち」 /国立科学博物館 にて)
Nで始まる形容詞+動物という今回の組み合わせは、さすがのShuttleworth氏も相当悩んだらしく、しばらくは辞書と動物図鑑に首っ引きの状態だったという。11.04で成し遂げたいことをあれこれと考えるうちに、次のUbuntuは、これまでのバージョンと比しても、さらにスタイリッシュでスマートでなくてはならない、と思うに至ったそうだ。外側はうつくしく、内側は効率的に─すぐれたデザイン性と高いパフォーマンスを同時に実現しながら、エコな時代にふさわしく省電力もめざす必要がある。さまざまな意味で"cool"なOSこそが11.04のあるべき姿、という結論に達したようだ。
そしてShuttleworth氏が今回選んだマスコットが“ イッカク” というわけだ。環境汚染や地球温暖化の影響を大きく受けている北極海周辺に生息するイッカクは、coolを訴えるマスコットキャラの資格を十分にもつ。さらに、UbuntuというOSはさまざまなソフトウェアから構成されており、エコシステムを十分に考慮する必要がある。多くのコントリビュータが互いに敬意を表しあい、1つのシステムを作り上げる、その象徴としてもイッカクはふさわしい。
イッカクは空想上の動物“ ユニコーン” にもよく似ている。ユーザのひとりひとりが描いている夢を現実に変えるための何らかの手助けを、Natty Narwhalは提供できるだろう、とShuttleworth氏は言う。
Ubuntu 11.04は、順調に行けばUbuntuにとって14番目のリリースとなる予定だ。