予定されていたスケジュールよりやや遅れた感があるが、Fedoroaの次期リリース"Laughling"ことFedoroa 14のアルファ版が8月24日、公開された。デスクトップ仮想化、JPEGの高速圧縮、プログラミング言語Dのサポート、MeeGoとのコラボレーションによるネットブック対応強化など、意欲的な改良が随所に見られる。
Linuxカーネルには8月初旬にリリースされたばかりの2.6.35を採用、これにより複数のCPUにネットワークの負荷を分散させてスループット向上を図ったり、Btrfsで直接I/Oを行うDirect-IO、メモリの断片化を防ぐメカニズムなど、多くの先進的な機能がサポートされることになる。
KDEは4.5.0が搭載されている。
デスクトップ仮想化は、メインスポンサーのRed Hatが力を入れている分野のひとつで、同社は2008年に買収した技術「SPICE」をオープンソース化しており、Fedora 14でもSPICEを使ったデスクトップ仮想化が図られている。
JPEG圧縮技術は、これまでのlibjpegからlibjpg-turboに変更されている。これによりMMX/SSEプラットフォーム上では、圧縮/解凍時の速度が従来比で2倍以上に向上、非SSEマシンの場合は25%以上の向上を実現している。
開発環境に関しては新しくD言語をサポート、コンパイラとランタイムライブラリが同梱されている。その他、Python 2.7、Perl 5.12、Raukudo Star(Perl 6)、Erlang R14 といったプログラミング言語がアップデートされている。Java開発環境については、Eclipseは最近リリースされたばかりのHelios、NetBeansは6.9にそれぞれアップデートしている。
システム/セッションマネジメントはSysVinitにかわり、systemdが採用されている。また、ネットブック版についてはMeeGoと協力し、GNOMEベースのMeeGo UX 1.0をプラットフォームとして採用している。
Fedora 14の正式リリースは今年の11月の予定だ。