Novellの買収話はここ1、2年、ときどき表に出てくることはあってもそれほど話題にはならなかった。しかし実際にそれが現実となると、やはりOSSにかかわる人間なら気になるというもの。11月22日、 NovellはAttachmateという投資会社に買収されることを発表した。買収額は約22億ドル。1株あたり6.10ドルとなる。
Linuxユーザにとって気になるopenSUSEの扱いに関して、Attachmateは「openSUSEプロジェクトはSUSEビジネスの非常に重要な要素である」としており、「AttachmateはSUSEを独立したビジネスユニットとして運営するつもりであり、openSUSEプロジェクトとの関係も(Novellと同じように)変わらない」と声明を発表している。
さて、そうは言ってもLinuxユーザにとっては少々気がかりなことが残る。NovellはMicrosoftとパテントについて非常に重要な取り決めをいくつか交わしていた。それらは今後どうなるのだろうか。
Microsoftは、CPTNホールディングスという会社を通じてNovellの882のパテントを4億5,000万ドルで購入していることが買収と同じ日に明らかになっている。このパテントに何が含まれているのかは現時点では明らかになっていない。Novellは2006年、Microsoftとの間で今後5年間、SUSE Linuxの技術に関してはパテントで争わないという契約を交わしているが、この取り決めもどう転ぶか予断を許さない。なおMicrosoftはこの件に関して「良い買い物ができたと思っている。これからもNovellと良い関係を続けていきたい」とコメントしているにとどまっている。
SCOとの訴訟は過去のものになりつつあるとはいえ、NovellがUNIXの重要な知的財産を保有することは間違いなく、Attachmateが今後、これらをどう処理するかは非常に気になるところだ。ちなみにopenSUSEの開発チームは「ビジネスはビジネス、よくあること。なんだかんだ予測するよりも、我々はひたすら開発するのみさ、楽しくね!」としている。