Ubuntuが6ヵ月ごとのリリースをやめ、ほぼデイリーでアップデートする方針(ローリングリリース)に切り替える ─22日くらいから、こんな噂がいくつかのOSS系ニュースサイトやメーリングリストで話題になっていた。これに対し、Ubuntuのエンジニアリングディレクターを務めるRick Spencer氏が自身のブログではっきりと否定している。
Spencer氏は「ここ数日、Ubuntuがローリングリリースに移行するのかという質問を受けてきたが、ここにあらためて宣言する」として、「Ubuntuはローリングリリースには移行しない。(6ヵ月に一度の)現在のリリース方針が、顧客にもパートナーにも、そしてOSSのエコシステムにも十分に恩恵を与えているという自信をもっている」と断言、くだんの噂については「パッケージを最新の状態で使うにはどうしたらいいだろう、という可能性を考えたら、そういう考え(ローリングリリース)もあるというだけのことに過ぎないのでは」と分析、そして「Ubuntuはあらゆるレンジにまたがるプロジェクトであり、我々は目的を遂行するためにはこれまで通りのリリース方針でいく」と語っている。
もっともこの噂、まったく根も葉もないデタラメ……というわけではなく、どうもMark Shuttleworth氏のいくつかのコメントがベースになっているようだ。Shuttleworth氏はカンファレンスで、「インターネット時代のいま、ソフトウェアを毎日アップデートするということは重要だ」など、開発者がデイリーでビルドするスタイルについて肯定的な発言をしている。Spencer氏も「毎日のソフトウェアビルドを容易にする、という考え方は良いと思っている」と発言しており、可能性としてはあり得ないことではない、といったところなのだろう。ただ、当分は4月と10月の年に2回リリースというサイクルを変える予定はないとのことだ。