Debian Projectは2月6日、Debian GNU/Linux 6.0(開発コード"Squeeze")の安定版のリリースを発表した。BSDカーネルを初めて採用したテクニカルプレビュー版の「Debian GNU/kFreeBSD」など、注目すべき点が多いバージョンに仕上がっている。
Linuxカーネルは2.6.32を搭載、デスクトップ環境にはKDE 4.4.5、GNOME 2.30、Xce 4.6の3種類が含まれている。その他の主要なソフトウェアは以下の通り。
- X.Org 7.5
- LXDE 0.5.0
- OpenOffice.org 3.2.1
- GIMP 2.6.11
- GCC 4.4.5
- Xen Hypervisor 4.0.1
- Apache 2.2.16
- OpenJDK 6b18
- PostgreSQL 8.4.6
- MySQL 5.1.49
- Perl 5.10.1
- Python 2.6.6/2.5.5/3.1.3
- PHP 5.3.3
全パッケージ数は2万9,000以上、新規に追加されたパッケージは1万以上に上り、その中にはブラウザのChromiumやネットワークマネージャのwicdなどが含まれる。対応アーキテクチャはi386、amd64、powerpc、sparc、mips(big-endian)、mipsel(little-endian)、ia64、s390、armelの9アーキテクチャ。
最も注目されるのは、カーネルにFreeBSDを、ユーザランドにDebianを用いたテクノロジプレビュー版「Debian GNU/kFreeBSD」。32ビット(kfreebsd-i386)と64ビット(kfreebsd-amd64)に対応している。BSDカーネルをLinuxに採用するという非常にユニークな試みで、今後の展開への期待も大きいが、現状ではテクノロジプレビューという扱いのため、デスクトップの機能の一部など、サポートされていない部分もいくつか存在する。
また、Squeezeではカーネルが完全に"フリー"であることを徹底、商用ファームウェアなどはすべて非デフォルト扱いになっている(ファームウェアは別途CDまたはUSBからインストール可能)。
インストールプロセスの大幅な改善もされており、サポート言語は70、パーティショニングは論理ボリューム、RAID、暗号化システムに対応する。ファイルシステムはext4とBtrfsのサポートが加わっており、Debian GNU/kFreeBSDではZFSもサポートする。
すでにDebianのサイトのほかBitTorrentなどからISOイメージを入手することが可能になっている。