まもなく正式リリースを迎えるUbuntu 11.04とともに、多くのLinuxユーザがその登場を楽しみにしているディストリビューションがFedora 15だ。
Fedora 15の最大の注目ポイントはやはりUIにGNOME 3を採用しているところだろう。現在のところ5月24日のリリースが予定されているが、ベータ版が出るまでにはあと数週間かかると見られている。そこで一足早くプレベータ版のFedora 15を使った感想を、FedoraアンバサダーのひとりであるKage Senshi氏が自身のブログで報告している。
- Fedora 15 & GNOME3, initial impression
- URL:http://blog.kagesenshi.org/2011/03/fedora-15-gnome3-initial-impression.html
起動に関しては「普通に速い」とのこと。14と比べて若干高速化されているようだが、驚くほど速くなっているわけではないという。
GNOME 3環境でログインすると「フォントの大きさに驚いた」という。これはアクセシビリティを考慮した設計になっているためとかで、もちろんカスタマイズ可能だ(UIのカスタマイズはGNOME Tweak Toolで行える)。また、新しいGTK3アプリケーションのスクロールバーもとても大きく感じられるそうで、GTK2アプリのほうが見た目がよい印象を受けるとしている。
大きさといえば、GNOME 3では最大化ボタンおよび最小化ボタンがなくなっている。Senshi氏はこの機能はいままで多用していなかったが、「なくなってみるとやっぱり少し違和感がある」という。どうしてもしっくりこない場合はこれもTweak Toolで以前のUIに戻すことができるようだ。
そのほかにもGNOME 3にはGNOME 2にはなかった機能がいくつもある。中でもSenshi氏が挙げているのが、GNOME 3はアプリケーションランチャー機能を含んでいるので、GNOME Doが必要なくなったことだ。アプリケーションの起動や切り替えにGNOME Doを使用していたユーザは多いが、GNOME 3はオリジナルの機能としてこれをもっているので、ユーザがこれまでGNOME Doで割り当てていたキーは無効になる。なのでGNOME Doユーザの場合、キー操作に慣れるまでにやや時間がかかるかもしれないという。
またウインドウマネジメントについても改良が図られており、アクティブ画面と非アクティブ画面の切り替えがスムースに行うことができるようになっている(Senshi氏は“もう少し切り替え画面がわかりやすく表示されるといいのに”とやや苦言を呈している)が、タスクバーを使って画面の切り替えを行っていたようなユーザには、やはり慣れるまでに時間が必要かもしれないとのこと。
Senshi氏はGNOME 2からGNOME 3への変更は“radical(急進的)”と表現しており、どうしてもGNOME 2のほうがイイ!というユーザはXfceのほうがよいのでは、としている。Senshi氏は、Fedora 15は非常に安定しており、若干修正すべき点は残っているものの、GNOME 3も良い出来だとしている。長い時間をかけてようやく陽の目を見ることになったGNOME 3、安定した環境で試すならやはりFedora 15が最適のようである。