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2011年4月6日Microsoftを叩くのは子犬を蹴飛ばすのと同じ!?-Linux Foundation幹部語る

Microsoft vs. Linuxなんてもう昔の話だ。もはやLinuxは完全に勝利した。かつてはたしかに大きなライバルだったが、いまやMicrosoftをバッシングする行為は、子犬を蹴飛ばすのと同じくらい残酷なことだ─

Linux Foundationのエグゼクティブディレクターを務めるJim Zemlin氏が『Network World』のインタビューで語ったコメントがちょっとした話題になっている。

Jim Zemlin氏(2010年12月のMeeGoセミナーにて)
Jim Zemlin氏(2010年12月のMeeGoセミナーにて)

Zemlin氏が⁠Linuxは勝利した⁠と断言する根拠は、デスクトップ以外のコンピューティングの世界─組込みからスーパーコンピュータまで、モバイルデバイスからサーバサイドまで、ありとあらゆるプラットフォーム上でLinuxが圧倒的なシェアを誇っているというところにある。

たとえば、Facebook、Amazon、Googleといった代表的なソーシャルサービスのベースはLinuxであり、世界の名だたる証券取引所のシステムも70%以上がLinuxで構築されている。Linuxから派生したモバイルプラットフォームのAndroidは、普及率ではAppleのiOSを抜いたという統計もあり、Windows Phoneをリリースしたとはいえ、Microsoftがここに入り込む余地はまだ小さい。また、Microsoftが牙城としているデスクトップOSのシェアにおいても、⁠デスクトップ/ノートに限らず、PCの需要ははいずれモバイルデバイスに追い抜かれる」としており、Microsoftの現在の地位が徐々に廃れていくのは自明だとしている。

では本当にMicrosoftを叩くことは子犬を蹴飛ばすようなものなのか? 仮にデスクトップ市場がMicrosoftの最後の牙城だとしても、その世界シェアは90%、Windows 7のライセンス販売数は3億を超えている。さすがにこれだけ巨大でタフだと、子犬と呼ぶにはまだ抵抗を覚えるのが正直なところだろう。そしてLinuxは誕生して20年が経つが、デスクトップに関してはWindowsを抜くどころか、蹴飛ばそうにも足がまったく届かない。いかに世の中のインフラ部分をLinuxが陰で支えていても、デスクトップという一番目につきやすい部分での普及が大幅に遅れているために、⁠LinuxがMicrosoftに勝利した」と言われても、残念ながらピンとこないのだ。

GNOMEクリエータのMiguel de Icaza氏は「エンドユーザにとってデスクトップは非常に重要なものなのに、どうもLinux/OSS開発者は一致団結して取り組もうという感じにならない」とコメントしているが、この少なからぬ⁠デスクトップ軽視⁠の傾向が、Linux普及の最大の障壁、つまりはMicrosoftが子犬に見えない最大の要因なのだろう。

もっともZemlin氏はやはり、モバイルデバイスの台頭がデスクトップPCを追いやり、ゆっくりと氷河のように削っていくと主張する。

現在、コンピュータの使われ方は大きく変わりつつあるが、その流れは本当にMicrosoftを子犬に変えるほどの力をもっているのだろうか。

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