Linuxの次のバージョンは2.6.40ではなく、Linux 3.0.0になることが正式に決まったようだ。5月30日、Linus Torvalds氏は「Linux 3.0-rc1」をコミットしたというメッセージをGitに投稿している。
時間的な制約もあり、Linux 2.6.39のリリースに関してはLinus氏はあまり満足していなかったとその心情を吐露していた。とくにIntel SandyBridgeをサポートできなかったことは、ずいぶんと心残りだったらしい。そのため次のバージョン(2.6.40と見られていた)では、2.6.39で実現できなかった目標も含め、大幅なバージョンアップが図られるだろうという期待がかかっていた。
2.6.39のリリースからまもなく、Linus氏がLKMLに投稿したあるメッセージが話題になった。「カーネルバージョンの数字が大きくなりすぎているという声は僕も聞いている。もう次は2.8.0にしてもいいかもしれない。もちろんこの件については議論を尽くすけど」 ─2.6系はこれまで約7年にわたり39回のリリースを繰り返してきた。もうそろそろ新しいバージョンナンバーに変える時期かもしれない、とLinus氏が思っても不思議ではない。このメッセージを見て多くのユーザが驚いたが、ほとんどが好意的にとらえていたようだ。
だが、ユーザや開発者とのディスカッションを通して、2.8よりも3.0にしたほうがという声が出てきた。3.0にすることで、古いドライバやサブシステムを一掃したいと考えた開発者も多かったようだ。また、3.0にするには今の段階では時期尚早なのでは、という意見も当然ながらあったようだ。
ここ数日、Linux氏がLinuxConのため来日するということもあって、このバージョニングに関する議論はしばらく行われていなかった。ところが来日の直前、Linus氏が冒頭に挙げたメッセージを投稿、これでもって議論は終わり、3.0に向けて開発がスタートしたと見てよいだろう。
6月1日、Linus氏はLinuxCon Japanのためパシフィコ横浜にやってくる。もしかしたらこの新しいカーネルについて何か発表してくれるかもしれない。