8月1日、オープンソースのオフィススイート「LibreOffice」の新バージョンである「LibreOffice 3.4.2」がリリースされた。バグフィクス/セキュリティアップデートのほか、エンタープライズユースを考慮した改善が数多く実施されている。
今回のアップデートでは、Calc(表計算ソフト)/Impress(プレゼンツール)/Writer(ワードプロセッサ)に存在した50以上のバグフィクスのほか、起動時を含むパフォーマンスの改善、安定性およびセキュリティの強化などが図られている。またWindowsインストーラの軽量化やフォント関連のメモリリークのフィクスなど細かい部分の改善も目立つ。なお、LibreOfficeをデフォルトで採用しているUbuntuのユーザに配慮したのか、Unityのサポートも開始している。
LibreOfficeをプロデュースするThe Document Foundation(TDF)は、OpenOffice.orgプロジェクトに長年関わってきたメンバーがOOoからフォークし、設立された団体だ。ご存知の通り、OracleのSun買収によりOpenOffice.orgはプロジェクトの方向性が二転三転することになる。最終的には今年6月、OracleがThe Apache FoundationにOOoを譲渡する形で落ち着いたが、この間に起こった数々のゴタゴタに嫌気がさした数多くの有力開発者がOOoコミュニティを離れ、LibreOfficeへと流れていった。現在、Red Hat、Ubuntuをはじめとする有力Linuxディストリビューションも次々とOOoからLibreOfficeへと移行しており、オープンソースのオフィススイートとして、OOoのオルタナティブとしての地位を着実に固めつつある。
ところで3.4.2の組織別コントリビュートの割合を見ると、OracleとSUSEが25%ずつでトップに立っている。SUSEはわかるが、OOoプロジェクトを手放したOracleがトップに位置しているのはなんとなく奇妙に思える。おそらくこれは、オリジナルのOOoコードの提供元ということが大きく影響しているのだろう。なお、個人別の1位はRed HatのCaolan McNamara氏で、Red Hatは組織別でも20%で3位につけている。
- LibreOffice 3.4.2 for enterprise users - The Document Foundation Blog
- URL:http://blog.documentfoundation.org/2011/08/01/libreoffice-3-4-2-for-enterprise-users/