先日お伝えしたように、Linuxカーネルのリポジトリを保存していたKernel.orgのサーバがクラッキングの被害に遭い、現在、原因調査のため、Kernel.orgのマスターサーバは稼動していない。これに困ったのが我らがLinus Torvalds氏である。Linuxカーネル3.1は今月中にも正式公開される予定だが、新しいリリース候補版(rc5)を置く場所がなくなってしまったからだ。
Linus氏は「今回は(rc版の公開を)スキップしようかとも思った」そうだが、やはりそれでは開発に支障が出ると判断、OSS開発のプロジェクトホスティングサービスとして人気の高い「GitHub」にてLinux 3.1 -rc5を9月4日に公開した。
- torvalds/linux -GitHub
- URL:https://github.com/torvalds/linux
Linus氏はいまのところ、GitHubに置いたのは暫定的な措置で、Kernel.orgが復旧するのを待っているとしている。だが、GitHubの特徴である使いやすいインターフェースやツール群に慣れたユーザからは「このままGitHubをカーネル開発のコアにしてほしい」という声も上がっており、また、セキュリティの面からもGitHubのほうがすぐれているという意見もある。
現在のところ、Kernel.orgからはクラッキングに関する新しい調査結果は発表されていない。このままサービス停止が長引けば、Linuxカーネル3.1はGitHubで公開されることになるかもしれない。