ここ何年もの間、最も人気のあるLinuxディストリビューションの座を守ってきたUbuntuがいま、Linux Mintにその座を危うくされている。人気急落の原因はユーザインターフェース「Unity」に対する既存ユーザのアレルギーが予想外に高かったことにあると言われており、強気な態度が持ち味のかのMark Shuttleworth氏も、最近は発言にキレがない感すらある。
そして現在、「DistroWatch」の平均ページランクでここ1年ほど首位を独走中のLinux Mintが11月23日「Linux Mint 12(開発コード"Lisa")」をリリースした。Unityで人気を落としたUbuntuとは対照的に、GNOME環境の提供を重要視するMintは、GNOME 3だけでなく、GNOME 2互換を実現している姿勢が多くのユーザに支持されており、Mint 12ではGNOME 2互換インターフェースの「MATE」が用意されている。
MintはもともとUbuntuをベースに開発されているディストリビューションである。今回はUbuntu 11.10をコアにしており、Linuxカーネルには3.0を採用、デフォルトデスクトップ環境はGNOME 3.2で独自シェルエクステンションのMGSE(Mint GNOME Shell Extension)を備えている。当然(?)ながらUnityは含まれていない。
ブラウザはFirefox 7.0が搭載されているが、今回からMoonlight(SilverlightのOSS実装)はクラッシュが多発するという理由から外されている。
起動スプラッシュ画面は、従来のグリーンのロゴが表示されたものから真っ黒なブラックスクリーンに変わっている。
GNOME環境が整っていることに加え、インストールのしやすさやWindowsインストーラ(mint4win)が用意されているなど、初心者にも配慮した点が多々見られるLinux Mint 12。この新リリースで人気を不動のものにする可能性は十分に高い。