我らがLinus Torvaldsの口の悪さはいまさら言うまでもないのだが、どうもrc公開直前などテンパっている状態のときは、さらに拍車がかかる傾向にあるようだ。今回も、まもなく公開されるであろうLinux 3.2-rc4をめぐり、カーネル開発者のメーリングリスト「LKML」でつい暴言を吐いてしまっている。
コトの起こりは開発者のひとりであるDavid Airlie氏が「3.2-rc4に反映してほしい」と3つのプルリクエスト(自分が行った変更のマージ依頼)をLinusに送ったことによる。そのうちのひとつ、高速リブート機能であるKexecについてのプルリクエストを見た途端、どうもLinusの中で何かが爆発したらしい。
Airlie氏への返信は「はっきり言うけどね、Kexecのバグフィクスみたいなものを今さら送ってくるなんて、遅すぎだと思うけど。誰も(Kexecのことなんか)気にしていないよ」と出だしからかなりキビシイ調子で始まり、最後は“kexec? Who the f*ck cares? Really?(誰がそんなF*CKなモノを気にするんだYO!)”と、フォーレターワードまで飛び出す始末。
実はAirlie氏は以前もDRMパッチのことで何度かLinusとモメた前歴をもつ。いちおうLinusはDRMに関してはプルリクエストを受け入れてきのだが、あまり気が進まなかった部分もあったのだろう。同じメールで「DRMについては、まあ良い感じで進んできたと思ってはいるけど、正直、自分がそんなに問題だと思ってない問題(DRM)のために作業をやり直すのはどうなのかな、って思い始めているんだよね」と、やりたくない感いっぱいのニュアンスをにじませ、「だから、プルしない(So I'm not pulling this.)」ときっぱり。
ただ、さすがのLinusも"F*CK発言"は行き過ぎだと反省(?)したのか、その後のAirlie氏に対してのメールではややおだやかな口調になっている。「エンタープライズで使われることが多いディストロなら、Kexecが欲しいという要望はあるかもしれない。でもそれは彼らの問題だよね。Kexecの信頼性がおそろしく低いことはみんな知っているわけだし」「このパッチがイヤだと言っているわけじゃなくて、僕は本当にRCをコームダウンさせたいんだよ。このパッチをマージすることと、(3.2リリースに向けて)RCをまとめていくこと、どっちが大事かはわかるよね」……。
Linux 3.2はカーネルサイズがこれまでにないほど巨大になるのでは、と予想されている。Linusはじめカーネル開発陣はなんとかそれを最小限に抑えようと、ギリギリの努力を続けているのは多くのLinuxユーザが知るところだろう。そんな最中、rc4の公開間近に、「僕のパッチをマージして」というリクエスト(それもあまり重要ではない機能)が届いたら……Linusにとっては「マジギレしてくださいな」と同じ意味だったのかもしれない。