4月に入ってから開発が本格化している次期Linuxカーネル3.4。4月1日に最初のリリース候補版であるrc1が公開されたのを皮切りに、8日はrc2も公開、今後も週に1度のペースで進んでいきそうな感じではある。
Linux 3.4で予定されている機能強化としては
- 数多くのオープンソースのグラフィックDRMドライバの変更
- Intel Sandy Bridgeのパフォーマンス改善
- Btrfsの改善
- 電源管理システムの改善
- 新しいHSI(High-Speed Serial Interface)
- DMA-BUFサポート
- 新しいDMAマッピングコード
などが挙げられる。このうち、もっとも注目度が高いのが、今後のLinuxファイルシステムの主流になると見られているBtrfsの改善だ。このBtrfsでの強化ポイントについて、リードデベロッパでBtrfs生みの親でもあるChris Mason氏が、4月3日~5日に渡ってサンフランシスコで開催された「Linux Foundation Collaboration Summit」にて語ってくれたので、簡単に紹介したい。
- すべてのデータ/メタデータはコピーオンライト(copy-on-write)で書き換え
- システムロールバックのような書き込み可能なスナップショットを提供
- マルチデバイスのサポート
- さまざまなRAIDレベルのビルトインサポート
- オンラインリサイズとデフラグのサポート
- ZlibやLZOを使った透過的圧縮
- TRIM機能を含めたSSDサポート
なお、Mason氏はOracleに所属する開発者だが、同氏いわく「BtrfsはOracleだけがコミットしているプロジェクトではない。SUSEやIntel、その他のベンダやデベロッパも開発に大きく貢献している」とのこと。