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2012年5月3日MeeGoをしのぐ存在になれるか!? Intelがモバイルプラットフォーム「Tizen」公開

先日、ムーディーズの格付けで「ジャンク債クラス」と酷評されたかつての携帯電話の覇者Nokia。経営が下降線を辿っているのにオープンソースの面倒なんか見られませんよとばかりに、せっせと開発してきたモバイルプラットフォーム「MeeGo」を見限ったのは昨年9月の話である。

だが、一緒にMeeGoを開発してきたIntelと開発をホストしてきたThe Linux Foundationはそれなりの投資をMeeGoにしてきたわけで、ここであっさりモバイルLinux開発から手を引くわけにはいかない。資金不足のNokiaをこれ以上巻き込んでもラチが明かないと判断したのか、お金のありそうなSamsungに声をかけて始めたモバイルLinuxプロジェクトが「Tizen」だ。コードネーム「Larkspur」のもと、開発が進められてきたTizenだが、4月30日、晴れてバージョン1.0となり、ソースコードとSDKが公開されている。

Tizen
URL:https://www.tizen.org/

数多くの新機能がフィーチャーされているが、やはり注目はHTML5サポートの強化だろう。ほかにもJavaScriptベースのリアルタイムコミュニケーションを実現するWebRTCの取り込みや、端末搭載のローカルカメラにアクセスするgetUserMedia() API、バイブレーション関連のアプリを開発するAPIなども含まれている。位置情報についても非構造化クエリを扱えるようにしたり、複数の経路(徒歩、車、公共交通機関)モードをサポートすしている。また、Wi-Fi Direct関連の機能も端末どうしのP2P通信を可能にするなど強化が図られている。

Tizenはソースコードは提供されているがバイナリは含まれていない。SDKはUbuntuとWindows用が用意されており、Mac OS Xについては現在開発中となっている。

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