NVIDIA: FUCK YOU! ─かのLinus TorvaldsにクリアなファッキンをキメられたNVIDIAだが、やはりあのパフォーマンスは同社にとっても衝撃だったらしく、その後、さまざまな動きが出ているようだ。
まず同社の広報は「Linuxのサポートは我々にとって非常に重要」という一文ではじまる声明を発表、Linuxユーザに対してもWindowsユーザと変わらないサポートを提供し、最新のGeForceやQuadroといったGPUのLinux対応を進めており、アップデートも頻繁に行っていると謳っている。ARM対応カーネルの開発にも積極的にかかわっている件についても触れている。
またノートPC用のOptimusテクノロジについても、これまでサポートはWindowsオンリーだったが、OSSプロジェクトのBumblebeeにインストーラを提供したとしており、OSSの活動も支援していることを強調している。
- PR Response to Linus Torvald's Inflammatory Comments - nV News Forums
もっともこの程度の反論(?)は予想されており、内容的にもあまりおもしろくない。「Linusはあんなこと言っているけど、我々はちゃんとLinuxサポートをやっているから信じてね」と言われても、Linusが本当に怒っている理由から、論点をずらした形で弁解しているような感じが漂う。
しかし、Linusにあそこまで罵倒されるという事態は、会社の上層部はともかく、中の人、とりわけ良心あるLinuxエンジニアにとってはかなりショックであることは想像に難くない。NVIDIAのStephen Warren氏もそのひとり。
同氏は8月に米サンディエゴで行われる「Linux Kernel Summit」でNVIDIAの人間として参加し、「NVIDIAにユーザがどんなことを求めているのか、真剣に耳を傾けたい。オープンサポートの欠如が問題になっているのは知っているけれど、それ以外にもあるのなら、ぜひ知りたい」と同サミットのメーリングリストにポストしている。
- [Ksummit-2012-discuss] [ATTEND] NVIDIA education, and embedded architectures
ポストの内容を見ると、Warren氏はTegra SoCのドライバ開発でコミットしてきており、「Google+ではLinusは我々の貢献を認めてくれていたんだけどなあ…」と書いていることから、本当に何が求められているのかを探りたいのだろう。NVIDIAのエンジニアとして、Linuxの良きパートナーでありたいという気持ちが伝わってくる。
なお、Linusの例のパフォーマンスとほぼ同時の6月18日、OSSで進められているNVIDIAドライバのリバースエンジニアプロジェクト「Nouveau」が晴れてバージョン1.0になっている。NVIDIAがLinux Foundationに参加したころは、もしかしてNouveauは必要なくなるんじゃ…という憶測もあったが、しばらくはまだNouveauは重要なプロジェクトのまま続きそうだ。
- Nouveau
- URL:http://nouveau.freedesktop.org/wiki/