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2012年8月13日手放すときはあっさりと─Nokia、Qtをフィンランド企業に売却

先日、NokiaはQt 5.0までは面倒を見るのでは、という推測を本コーナーで書いたが、どうも事態はそんなにのんびりしたものではなかったようだ。すでにあちこちでニュースになっているが、Nokiaは8月9日(現地時間⁠⁠、同じフィンランドのソフトウェア開発企業であるDigiaにQtの全事業を売却したことを発表した。売却金額などの詳細は明らかになっていないが、Nokiaに在籍していた125名のQt開発者はDigiaに移籍すると見られている。

Qtを手にしたDigiaは「早急にAndroid、iOS、Windows Phone 8上でQtが動作するようにしたい」と発表しており、同時に「Qtの開発チームをDigiaに迎えられることは非常に光栄だ。Qt開発のエコシステムをすぐにでも改善していきたい」と表明、Nokiaの不明確な方針に振り回されてきた開発者たちをあらためて支援していく姿勢を示している。

Digia to acquire Qt from Nokia

Digiaは2011年3月、Qtの商用ライセンスをNokiaから取得している。今回、オープンソースのライセンスも得たことで、次期Qt 5.0のリリースも含め、全世界に約45万人いるとされるQt開発者たちに対し大きな責任をもつことになる。Digiaは「Qtに対する認識を変えてもらうには、今はちょうどいい」と表明しており、"新生Qt"のイメージを早急に固めていく方針のようだ。

これでNokiaは心おきなくWindows Phoneの開発に専念できることになる。Trolltechから約1億5,000万ドルでQtを買い取ったのが2008年、この4年間、QtとNokiaはそれぞれ何を得て、何を失ってきたのだろうか。

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