世の中にはたったひとつの失言で仕事や信用をなくしてしまう人も少なくないが、いくら過激な発言を繰り返してもその地位が揺るがない人もごくまれに存在する。そのひとりが我らがLinus Torvalds。
彼の発言や行為に眉をひそめる向きはあるものの、自分の感情を正直に偽りなく表現するLinusの姿勢は、Linuxユーザの絶大な支持を得ている。NVIDIAに対して「FUCK YOU!」と中指立てたパフォーマンスも記憶に新しいが、今回もまた日本語訳に困るようなスラングで相手を罵倒、さっそくネットウォッチャーの話題となっている。
Linusが今回噛みついたのは共和党の大統領候補であるミット・ロムニー氏。同氏は先日、妻が飛行機内で煙に巻かれるという事態に遭遇したことを受け、「飛行機の窓は緊急時には乗客が開けられるようにするべきだ」という、どこぞの市長のような厨ライクな発言を行い、それが米メディアで取り上げられた。
あまりにアホくさい意見なので「きっとロムニーはジョークを言ったんだよ」と好意的(?)に捉える向きも少なくなかったのだが、不快な感情をストレートに出すことにいっさい躊躇しないLinus、Google+上で「どうやらヤツはマジでファッキンな基地外らしい(He really seems to be a f*cking moron.)」とコメントしている。
- Linus Torvalds - Google+ - Mitt Romney wants your airplane windows to open
Linusは以前もロムニー氏がモルモン教の信者であることを受けて「まったくもってイカれてる(Batshit Crazy)」「モルモン教信者はサイエントロジストに近い」とも発言しており、はっきりと嫌悪の感情を示している。
- plus.google.com/+LinusTorvalds/posts/VvMFp3PVKFx?hl=en">Linus Torvalds - Google+ - This is a really interesting Reddit AMA:
ところでロムニー氏はくだんの発言を後日、「あれはジョークだった」とコメントしたのだが、Linusはとくに自身の発言を撤回していない。ただ「ロムニーはあの発言をジョークだと言ってるみたいだけど、共和党の連中の言うことはシリアスなのかジョークなのか判別しにくい」とGoogle+上に追加コメントを寄せている。
もともとLinusは米国の大統領選のお祭り騒ぎがどうしても好きになれないらしい。「この期間だけはアメリカ人をやめたい」とも口にしたこともあるというから、いまの狂騒ぶりは相当辟易しているのだろう。選挙が終わるまでにLinusの辛口コメントはあと何回登場するのか、かなり気になるところだ。