The openSUSE Projectは3月13日(現地時間)、openSUSE 12.3を正式公開した。Linuxカーネルは3.7、デフォルトデータベースをMySQLからMariaDBに変更、OpenStackパッケージを完全同梱するなど、先進性に富んだバージョンとなっている。
- openSUSE 12.3 - Awesome as 1-2-3 : openSUSE News
最大の特徴はやはり物議を呼んだMySQLからMariaDBへの変更だろう。オープンソースでありながらOracleによる情報公開が不透明すぎるとして、FedoraとともにデフォルトデータベースをMySQLからMariaDBに変更することを発表したのが2月のこと。約1ヵ月で正式版リリースに対応し、メジャーディストロとしては初めてMariaDBをデフォルトで採用したことになる。また、ネイティブJSONサポートを備えたPostgreSQL 9.2も含まれているのも新たな特徴のひとつだ。
Linuxカーネルには年末にリリースされたLinux 3.7が採用されている。これにより、RAID 10サポート、省電力機能の向上、Btrfsの改善、NOUVEAUドライバのパフォーマンス向上などが実現している。
また、openSUSEとしては今回初めてオープンソースのクラウドプラットフォームとして最も人気の高いOpenStack "Folsom"をフルパッケージで同梱している。
その他の主なソフトウェアは以下の通り。
- KDE 4.10
- GNOME 3.6
- Xfce 4.10
- Enlightment 17
- GCC 4.7
- Glibc 2.17
- Firefox 19.0
- LibreOffice 3.6.3
- Virtualbox 4.2
いずれのアプリケーションも最新版かそれに近いバージョンがほとんど。先進的でありながら、いかにも正統派のLinuxディストリビューションといった内容となっている。
少し前までは最も先進的なディストロといえばFedoraだったが、最近のFedoraはリリースに遅れが生じることが多く、6ヵ月という開発期間をオーバーすることも増えている。これに対してopenSUSEはスケジュール通りにプロジェクトを回し、正式公開に至るまで何度もマイルストーンを公開、情報公開の透明度も高い。UbuntuやFedora、Mintの影に隠れがちなopenSUSEだったが、ここにきてようやくその存在がクローズアップされるかも……そんな期待を抱かせるバージョンに仕上がったといえる。