この5月、LinuxCon Japan 2013で2年ぶりに東京に姿を見せた我らがLinus Torvalds。世界を変えたLinux生みの親としての深い発言の数々は、会場に集った多くのLinuxユーザを喜ばせた。一方、カーネルメンテナーのメーリングリスト(LKML.org)で見せる過激な表現についても一言あったようだ。詳細はgihyo.jpでもレポート されている。
さて、そのLinuxConで語っているように、Linusはカーネルの肥大化につながるような、うざったいプルリクエストを送られるのが本当に嫌いである。イライラが最高潮に達したときは、いったいどこで覚えたの?と聞きたくなるような口汚い表現で相手を徹底的に罵倒する。もちろん世界に公開された場で、である。
Linus曰く、相手に何度か直接注意を促したものの効き目がなく、マージ直前に"くだらない"プルリクエストが手元に届くときだけそうした罵倒に走る、というわけだが、その頻度からして相当量だと推測される。おかげで本コーナーで紹介するネタが尽きないわけだが。
現在、Linuxカーネルは次のバージョンであるLinux 3.10を開発中で、7月中にもリリースされると見られている。リリース候補版は通常通り、週に1本の割合で出ているのだが、6月8日に出されたrc5は、Linusにとってはかなり腹ただしい状態でリリースされたものらしいことがMLのポストから見て取れる。
LKML: Linus Torvalds: Linux 3.10-rc5
このポストによれば、rc4に比較してrc5はかなり肥大化してしまったようだ。コミット数も変更されたファイルも多く、マージ作業にかなり手がかかったことは想像に難くない。いつもならここでブチ切れそうなところだが、必死で怒りを抑えるLinusの姿がそこにある。
Guys, guys, guys. I'm going to have to start cursing again unless you stop sending me non-critical stuff. So the next pull request I get that has "cleanups" or just pointless churn, I'm going to call you guys out on, and try to come up with new ways to insult you, your mother, and your deceased pet hamster.
お前ら、おまえら、オマエラー! 次こそはやめてくれ、大して重要でもないモノをぼくに送りつけてくるのを。じゃないと、ぼくはお前らを口汚く罵る準備をしなくちゃいけなくなる。本当に、次のプルリクエストでしょーもない指摘やもう終わった作業になんか要求してみろよ、お前らにがっつり狙い撃ちして、ぼくの"新しいやりかた"で徹底的に悪態つくからな。お前らにも、お前らのママにも、死んだペットのハムスターにもな。
まさしく「ぼくを怒らせるな」最終通告である。Linusウォッチャーとしては死んだハムスターにまで呪いをかけるLinusの口撃を見てみたい気がしないでもないが……本稿が掲載されるころに登場するであろうLinux 3.10-rc6が"things are calming down"な状態であるかどうか、注目したい。