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2014年4月3日Linux 3.14が正式リリース ─デッドラインスケジューリング、Btrfsの改善など新機能満載

Linus Torvaldsは3月30日(米国時間⁠⁠、Linuxカーネルの最新版となる「Linux 3.14」の正式公開を発表した。予定外のリリース候補版(rc8)を出すなど、当初のスケジュールより1週間ほど遅れた正式リリースとなったが、それ以外は大きなトラブルもなく、⁠rc8からの変更点はほどんどない」というLinusのコメントにあるように安定した最新カーネルに仕上がったようだ。

LKML: Linus Torvalds: Linux 3.14 out

Linux 3.14の主な特徴は以下の通り。

  • リアルタイム処理を向上するデッドラインスケジューリング機能(SCHED_DEADLINE)
  • メモリ圧縮メカニズム「zram」の安定化(スワップ領域としてRAM上に作成する際に威力を発揮)
  • Btrfsの改善 … iノードに「zattrs」として名前/値のペアとなる一般的なプロパティを追加
  • イベントレースにおけるトリガー機能のサポート
  • uprobes(ユーザ空間のためのプローブ機構)がメモリ、スタックなどあらゆる引数にアクセス可能に
  • ユーザ空間でのロックバリデーションの実行が可能に
  • カーネルのアドレス空間(物理/仮想ともに)の乱数化
  • アプリケーションが実行するwrite()/sendmsg()を小さくする「TCP Auto Corking(自動コルク⁠⁠」機能
  • バッファの膨張を防ぐための新パケットスケジューラ「PIE(Proportional Integral controller Enhanced⁠⁠」

また、Intelによってオープンソース化されたBroadwellのグラフィックドライバなど、多くのハードウェアドライバが新たに追加されている。

Linusはすでに次のカーネルであるLinux 3.15のマージウィンドウをオープンしており、カーネル開発者に向けて早めのプルリクエスト送付を呼びかけている。

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