Linus Torvaldsは2月8日(米国時間)、Linuxカーネルの最新版である「Linux 3.19」の正式リリースを発表した。
Linux 3.19に追加/強化された主な機能は以下のとおり。
- Btrfsにおけるエンハンスメント
…RAID5/6におけるディスク交換を迅速かつライブに行う機能のサポート
- Intel MPE(Memory Protection eXtensions: メモリ保護機能)のサポート
- AMD GPU用の「HSA(Heterogeneous System Architecture)」ドライバ
…中央演算処理と画像処理をシェアードメモリを用いて同じバス上で実現するフレームワーク「HSA」をAMD Radeonファミリで利用可能に
- ARMベースのSoCである「Coresight」のサポート
- Alteraの32ビット組み込み用プロセッサ「Nios II」のサポート
- L2/L3スイッチや組み込み機器などハードウェア固有のオフローディングチップのサポート
- NFSv4.2のサポート
…ホールパンチング、保証された領域予約などを利用可能
このほか、読み込み専用の高圧縮ファイルシステム「SquashFS」でのLZ4圧縮アルゴリズムの採用や、KVMハイパーバイザでのIA64アーキテクチャサポートの停止なども新リリースに含まれる。
Linusは3.19のリリースと同時にLinux 3.20のマージウィンドウをオープンしているが、いくつかのメディアやユーザ/開発者からは「Linux 3.20ではなくLinux 4.0になるのだったのでは?」という声が出ている。これは2013年、Linux 3.12をリリースした直後にLinusが「Linux 2.6.xのケースのようにバージョン番号が肥大化していくことはLinux 3.xでは避けたい。Linux 3.19の次はLinux 4.0になっているだろうね」とした発言に基づいた推測だが、当のLinusはそのことには現時点ではまったく触れていない。どうやらこのままLinux 3.20として開発が続けられる公算が高そうだ。